日本オラクルは、トヨタシステムズが、トヨタ自動車をはじめとするトヨタグループ向け社内システム共通データベース基盤として「Oracle Cloud Infrastructure」のハイブリッド・クラウド・ソリューションである「Oracle Exadata Cloud@Customer」を導入したと発表した。
トヨタシステムズでは、トヨタの人事、品質、調達などの幅広い業務で利用されている数百の社内システムを対象に、仮想化統合基盤による開発および構築を行っているという。これらのシステムは、オンプレミス環境の「Oracle Database」上で稼働し、一部のシステムは仮想化統合基盤で稼働しているものの、それ以外の個別のシステムを含め、データベース運用は各アプリケーション担当が個々に行っていたとしている。性能向上、セキュリティ強化、運用効率化、コスト削減を目指し、データベース基盤を統合し、運用管理を一元化・共通化することに決定。自社データセンターにデータを保持しながら、マネージド・データベース・サービスとして従量課金で利用可能なOracle Exadata Cloud@Customerを共通データベース基盤として選定したとのことだ。
Oracle Exadata Cloud@Customerは、自社のデータセンター内に「Oracle Exadata」のハードウェアを設置することにより、機密データを自社データセンター内で保持したまま、アプリケーション・サーバーと低レイテンシで接続が可能。マネージド・サービスによるクラウドの自動化は、構成や設定ミスの発生しやすい手動でのデータ管理タスクを軽減し、アプリケーションの安定性とセキュリティも向上するという。高い密度のコンピュートとストレージによりOracle Database のワークロードを統合し、消費電力、データセンターの使用スペースを削減することで全体のコスト削減にも寄与するとのことだ。
トヨタシステムズは、日鉄ソリューションズと日本オラクルのコンサルティング・サービス部門の支援のもと、Oracle Exadata Cloud@Customerでの共通データベース基盤の構築を2024年10月に完了し、既存システムからのデータベースの移行に着手。稼働後の定常的なパッチ適用やデータベースのバージョンアップには、「Oracle Real Application Testing」を活用し、テスト効率の向上も図っていくという。今後、最新の「Oracle Database 23ai」にバージョンアップし、基幹システムのデータを集約することで、AIの活用もより容易にしていく方針だとしている。
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