日立ソリューションズは、AIを駆使して業務を変革するAIトランスフォーメーション(AX)の全社での推進活動の一環として、生成AI活用のアイデアコンテストを開催した。

アイデアコンテストは、生成AIを当たり前に使う企業風土の醸成と、生成AIの社内利用率100%を目指す施策として開催。生成AIやAIエージェントの法人向け導入などをサポートするギブリー支援のもと、実施されたという。募集テーマは、身近な業務課題などを解決する「社内業務全般の改善」と、「開発技法・プロセスの改善」の2つで、利用中から構想段階のものまで幅広く対象にしたとのことだ。
4月に募集を開始し、6月の書類審査の予選では日立ソリューションズグループより1,000件を超える応募があり、その中から実用性や成果が期待される約100件を選出したという。本選一次の社員投票、ギブリーの有識者3名や日立ソリューションズのデータサイエンティストらを含む事務局による書類審査を経て、20件のアイデアが残り、9月3日にプレゼン形式での最終審査を実施。最終審査では「実現可能性」「効果」「発展性と横展開可能性」の3点で評価され、最高位の社長特別賞、優秀な事例やアイデアを選んだとしている。
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アイデアコンテストの審査プロセス
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社長特別賞を獲得したのは、Hitachi Solutions Americaにて開発された、輸出管理業務のキャッチオール規制審査におけるエージェンティックAI。キャッチオール規制審査は、取引相手が輸出規制の対象に該当しないかを事前に審査し、国際的な信頼性と責任を担う業務だという。エージェンティックAIを活用することで、審査対象企業の情報収集から分析、審査レポートのドラフト生成、問題点の調査、レポートの完成までを自動化。AIが自律的にドラフトから問題点を特定し、調査計画を立案、実行することができるため、審査時間の約60%短縮を実現した点などが評価されたとのことだ。
このほか、新規事業検討におけるスタートアップの商材調査を効率化するAIエージェントや、IT技術者のスキルシートと製品情報を照合し、最適な協力会社を自動提案する生成AI、ソースコードをもとに仕様説明資料を自動生成するAIなど、10のアイデアに賞が贈られたとしている。
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