オラクルは、米国9月16日、プログラミング言語および開発プラットフォームの最新バージョンである「Java 25(Oracle JDK 25)」の提供を開始した。
Java 25は、開発者の生産性を高め、プラットフォームのパフォーマンス、安定性、セキュリティを強化する数千もの改善を提供し、組織のビジネス成長を支援するという。さらに、同社はJava 25に対し、少なくとも今後8年間の長期サポートを提供するとした。Oracle JDK 25の言語機能は次のとおり。
JEP 507:プリミティブ型のパターン、instanceof、switch(第3プレビュー)
Javaをより一貫性のある表現力豊かなものにすることで、Javaプログラミングの生産性を向上させるという。たとえば、パターンマッチングやinstanceof、switchを使用する際に発生していたプリミティブ型に関する制約を取り除くことで、パターンマッチングを強化できるとしている。
また、すべてのパターンコンテキストでプリミティブ型のパターンが使用可能になり、すべてのプリミティブ型でinstanceofとswitchが使用可能に。プリミティブ型のサポートは、AI推論が組み込まれたアプリケーションを構築する開発者にとって、メリットになるとしている。
JEP 511:モジュールインポート宣言
インポートを行うコードをモジュール自体に配置する必要がないため、モジュールがエクスポートしたすべてのパッケージを簡単にインポートできるようになり、開発者の生産性が向上するという。これにより、すべての開発者にとってモジュールライブラリの再利用が簡素化され、初心者でもパッケージ階層内の位置を学習することなく、サードパーティライブラリや基本的なJavaクラスを使用できるとしている。
さらに、モジュールによってエクスポートされたAPIの様々な部分を使う場合でも、何度も型のインポート宣言を書く必要がなくなるため、AI推論や人気ライブラリを組み合わせたシンプルなアプリケーションを簡単に作成できるとのことだ。
JEP 512:コンパクトなソースファイルとインスタンスのmainメソッド
Java言語の初心者やシステム管理者、IT管理者が、Javaプログラミングをスムーズに始め、身近に感じられるよう支援するという。プログラムの学習者は、大規模なプログラム向けの言語機能を理解しなくても、最初のプログラムを簡潔に書き、スキルの向上に合わせて徐々にコードを拡張していけるとした。
また、Javaに詳しくないシステム管理者やIT管理者も、スクリプトやコマンドラインユーティリティのような小規模なプログラムを、面倒な定型文なしに簡単に記述できるとしている。
JEP 513:柔軟なコンストラクタ本体
開発者は、コンストラクタを明示的に呼び出す前に入力値の検証や安全な計算処理を行え、コードの安全性と信頼性を高められるという。これにより、より自然な形でコンストラクタを記述できるようになり、親クラスのコンストラクタから呼び出されたメソッドなど、他のクラスコードからフィールドが見える前に初期化処理を行えるとした。
また、サブクラスのコンストラクタがスーパークラスのインスタンス化に干渉するのを防ぐセーフガードも維持されるため、クラス全体の信頼性も向上するとのことだ。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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