昨今、交通、環境、水、エネルギーなど地球規模の課題を情報通信技術(ICT)によって解決しようとする取り組みが大手ベンダーなどを中心に進められている。この動きに合わせて、その実現の基盤となる国土地理空間情報(NSDI :National Spatial Data Infrastructure)の整備が各国で進められているが、特に都市部ではその高度化(1/500縮尺地図レベルへの高精度化・三次元化)が求められているという。
従来の地理空間情報の収集は、衛星測量や航空測量で収集したデータをベースに、地上測量や現地調査を通して高精度化を図る手法が主流となっており、効率性やスピードの面で課題を抱えていた。今回協業した三社は、この地理空間情報の収集に関わる課題を解決し、収集した情報を活用するためのソリューションを三次元地理空間情報インフラパッケージとして提供する。
日本IBMは、IBMが世界で展開している様々なプロジェクトで得た知見やノウハウを、パスコは、航空機、移動体GPS測量機器:モービルマッピングシステム(MMS)などを活用して収集、加工した高精度な三次元地理空間情報を、三菱電機は、移動体GPS測量において絶対位置精度10cm以下を実現するための「電子基準点網」と「FKP方式による測位補強システム」、および、これらにもとづいて高精度な3次元地理空間情報を効率的に取得するモービルマッピングシステム(MMS)をそれぞれ提供する。これらは将来、日本政府が推進する準天頂測位衛星「みちびき」を活用すれば、東南アジア・豪州地域における更に効率的なインフラとして利用できるようになるという。
(※1)良好なGPS受信の条件による、1σ(シグマ)の数値。
(※2)面補正パラメータによる測位誤差補正方式。一度に広範囲を計測するMMSにおいて最適な補正方式。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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