発表によると、現時点では、ビッグデータを分析しマーケティング等に活かすことに注目が集まっており、BIが市場の大部分を占めているという。2011年度のビッグデータ市場規模は、ソフトウェアライセンス、システム構築、ハードウェア、保守までを含めて1,900億円と推計したという。
しかし、データ分析によって得た情報を事業に活かすことは、技術面・業務面共に困難が多いため、ビッグデータ活用に失敗する企業も増加し、データ分析に対するニーズは限定的な範囲に留まるという。ビッグデータ市場がデータ分析のみを対象にしていては、今後の成長は限定的になるとしている。
また、ビッグデータ市場が成長するシナリオと市場への影響を、短期・中期・長期の3段階に分けて作成したという。現在と2020年ではビックデータの位置づけや役割は大きく変わるとし、短期、中期、長期見通しについて次のようにまとめている。
1. 短期(2011年度~):データ分析を中心に、売上向上、スピード経営を狙った投資が活発化する
2. 中期(2015年度頃):ビッグデータを使い、競争優位を狙う投資が促され業界構造変革につながる
3. 長期(2017年度頃):ビッグデータ技術がスマートシティのインフラに活用されるなど、社会の無駄や余剰の最適化が実現する
そして、このシナリオ通りに進展すると、2017年度のビッグデータ市場規模は6,300億円に、2020年度には1兆円を超えると予測している。
なお、調査結果は『2012 ビッグデータ市場 ―将来性と参入企業の戦略―』としてまとめられ、4月20日に刊行されている。
■ニュースリリース
http://www.yano.co.jp/press/pdf/931.pdf