発表では、2015年以降の国内ソフトウェア市場は、毎年4%台の成長率で推移し、2019年には初めて3兆円を突破すると予測している。
2014年はWindows XPサポート終了特需、SaaSとPaaS成長などで前年比成長率4.6%
2014年の国内ソフトウェア市場は、前年比成長率4.6%の2兆5,531億4,700万円となった。とくに、上半期において、Windows XPサポート終了に伴う特需と消費税増税前の駆け込み需要が重なり、マイクロソフトのWindows OSやOfficeをはじめとするクライアントPC向けソフトウェアの売上が好調だったことが、主な成長要因になったという。
大分類市場別では、アプリケーション市場が前年比成長率4.7%、アプリケーション開発/デプロイメント市場が前年比成長率5.2%、システムインフラストラクチャ市場が前年比成長率4.1%となった。
アプリケーション市場では、コラボレーティブアプリケーション(eメール、グループウェア、会議、ファイル同期/共有)のSaaSの拡大、消費税率の変更に伴う中小企業向け財務アプリケーションの入れ替えが市場の成長に寄与した。
アプリケーション開発/デプロイメント市場では、ビッグデータ需要の高まりによってデータベース管理システムの堅調な成長に加え、データアナリティクスソフトウェア市場が好調だった。さらに、アプリケーションプラットフォーム市場においてPaaSが大きく拡大した。
システムインフラストラクチャ市場では、Windows XPサポート終了特需によって、Windows OSやPC向けセキュリティソフトウェアの売上が好調だった。また、仮想化/クラウド向けの基盤構築や運用管理に関するソフトウェアが伸長した。
マイクロソフトがベンダー別で1位、ヴイエムウェアが2桁成長を達成
2014年における国内ソフトウェア市場のベンダー別ランキングは、1位がマイクロソフト、2位が富士通、3位がIBM、4位が日立製作所、5位がNECとなった。ランキング上位10社の中では、唯一ランキング8位のヴイエムウェアが、仮想化ソフトウェアの販売好調によって前年比で2桁成長を達成した。
また、上位10社の中ではヴイエムウェアの他に、6位のオラクル、7位のSAPが前年比5%以上の成長率を達成している。両社はデータベース/アナリティクスソフトウェア関連が好調だった。
2015年の国内ソフトウェア市場は、前年比成長率4.1%の見込み。2014年~2019年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は4.1%、2019年には3兆1,181億円に達すると予測している。
また、大分類市場別の2014年~2019年のCAGRは、アプリケーション市場が3.0%、アプリケーション開発/デプロイメント市場が5.7%、システムインフラストラクチャ市場が4.3%と予測している。
IDCでは、アプリケーション市場において、2020年に開催される東京オリンピックに向けた顧客サービス基盤の構築のために、コラボレーティブアプリケーションやCRMアプリケーションの活用が増えるとみている。
アプリケーション開発/デプロイメント市場では、ビッグデータ/アナリティクス需要拡大の持続と、PaaSを中心としたアプリケーションプラットフォームの成長が市場をけん引するという。
システムインフラストラクチャ市場は、クラウド基盤の構築/管理向けソフトウェア需要の増加や、サイバーセキュリティ対策やマイナンバー制度への対応によるセキュリティ対策の強化が市場成長に寄与するとしている。
今回の発表内容について、IDCが発行したレポート「国内ソフトウェア市場 2014年の分析と2015年~2019年の予測」にその詳細が報告されている。