発表の概要は次のとおり。
2015年第1四半期の市場、出荷台数は同1.2%減の16万2,000台
今期は、ビジネスサーバーを除く、x86サーバー、メインフレーム、RISC&IA64サーバー(UNIXサーバー)、スーパーコンピューターの製品分野で、前年同期比で大幅に出荷額が増加した。
出荷額の増加は、HPC(High-Performance Computing)専用機とメインフレーム新機種の大型案件に加え、x86サーバーでは平均単価の上昇により、出荷台数の減少による出荷額減を補ったため。x86サーバーの平均単価は、円安による部材コストの上昇を販売価格へ転嫁したことや、仮想化の導入によるオプションの増加によって上昇した。
ベンダー別出荷額では富士通が首位、以下NEC、HPの順
ベンダー別出荷額では、前四半期に続き富士通が首位だった。RISCサーバーでHPC専用機の新機種である「FX100」の大型案件があった。x86サーバーでは2桁のプラス成長。一方、メインフレームとビジネスサーバーはマイナス成長だった。
2位はNEC。すべての製品分野で出荷額が増加した。今期もスーパーコンピューターで大型案件があった。3位はHP。x86サーバーでは、HPC専用機など複数の新機種による大口の案件によりプラス成長を確保した。4位は日立製作所。すべての製品分野でプラス成長だった。5位はIBM。メインフレームでは新機種である「z13」が出荷され、大幅なプラス成長となった。6位のデルは、3四半期ぶりにプラス成長を確保した。
x86サーバーは2000年以降、最高の出荷額を達成
x86サーバー市場は、出荷額が979億円となり、前年同期比で12.1%増加した。これは、IDCが調査を開始した2000年以降、最高の出荷額。出荷台数は16万1,000台となり、前年同期比で1.1%減少した。今期は4,000台規模の大口案件があったものの、消費税増税前の駆け込み需要があった前年同期ほどの出荷台数には至らなかった。
一方、ユーザー企業が直接ODMメーカーからサーバーを調達するODM Directの出荷台数は、前年同期比で113%増加し、3四半期連続でx86サーバーの出荷台数の10%以上を占めた。ODM Directの増加は、昨年から続く複数のサービスプロバイダーによる、クラウドサービスの新規立ち上げや増設を反映しているものとみている。
なお、今回の発表はIDCが発行する「国内サーバー市場2015年第1四半期の分析」にその詳細が報告されている。