ヤンマーは、2012年に創業100周年を迎え、新たに「持続可能な資源循環型社会の実現」をめざし、食糧生産とエネルギー変換を主軸として、建設機械や農業機械、小形/大形エンジンなど7つの事業を展開している。
同時に、昨今では保守部品ビジネスにも注力しており、その売上とそれに伴う利益の改善を急務としていた。
これまで同社では、保守部品の価格管理システムには、自社で開発したシステムを利用していたが、従来のシステムでは、月に2,000点余の新規入力があるにも拘らず、部品のセグメント化がされておらず、適正な価格設定ができていなかった。
さらに、日本と海外拠点での価格付けに関してもポリシーが共有化されておらず、整合性が取れていない状態が続いていたという。
そこで同社では、まず全体で約100万点にも及ぶ保守部品を主力3事業に絞ってプロジェクトを発足、価格管理システムの刷新を決定した。プロジェクトの狙いは以下5 点であった。
- 価格管理重要部品の定義化と現行部品マスターの整備
- 戦略的価格設定への転換
- 競合・市場情報を踏まえた価格設定ポリシーの作成
- 販売代理店、ディーラーなどへの価格設定ポリシーの徹底
- 価格設定プロセスの変革
いくつかのソリューションを検討した結果、世界だけでなく、日本国内においても導入実績を持ち、また、シミュレーション機能やビジュアライゼーション機能を含め、プロジェクトの目的を満たす機能を十分に備えていることを評価し、ヤンマーはシンクロンがSaaSで提供する「Global Price Management(グローバル価格管理)」の採用を決定したという。
ヤンマーでは、「Global Price Management」を活用した価格マネジメントシステムを2015年10月にサービスインする予定であり、現在は改めて機能検証や概念検証などを実施している。
また、今回の価格マネジメントシステムの刷新が軌道にのったタイミングで、他事業の保守部品価格にもこのソリューションを導入する予定だという。