x86サーバーの出荷額は前年同期比で22.3%増加
製品別では、x86サーバーの出荷額は前年同期比で22.3%増加し、出荷台数は同6.9%増加した。出荷額の増加要因には、前年同期の消費税増税に伴う需要低迷に対する反動による出荷台数の増加に加え、平均単価の上昇があった。
x86サーバーの平均単価は、円安による部材コストの上昇を販売価格へ転嫁したことや、仮想化の導入によるオプションの増加によって上昇した。
メインフレームでは大型機の出荷が好調で、前年同期比で大幅に出荷額が増加した。また、RISCサーバーではHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)専用機の大型案件が市場をけん引し、前年同期から大幅に出荷額が増加した。一方、IA64サーバー、ビジネスサーバーの製品分野では大幅に出荷額が減少した。
ベンダー別出荷額1位のNECはメインフレームで金融向けの大型案件
ベンダー別出荷額では、NECが首位だった。メインフレームでは金融向けの大型案件により大幅なプラス成長となった。x86サーバーは2桁のプラス成長。
2位は富士通。ビジネスサーバーを除くすべての製品分野で、出荷額が大幅なプラス成長だった。今期もRISCサーバーでHPC専用機の大型案件があった。
3位はIBM。メインフレームの新機種の出荷が好調で、RISCサーバーも大幅なプラス成長となった。
4位はHP。x86サーバーが大幅なプラス成長となった。5位は日立製作所で、x86サーバーとメインフレームが2桁のプラス成長。6位のデルは、前期に引き続きプラス成長を確保した。
x86サーバーの出荷台数はODM Directがけん引
x86サーバー市場は、出荷額が775億円、出荷台数は12万3,000台だった。出荷台数は、前年同期比で5四半期ぶりにプラス成長を確保した。また、ユーザー企業が直接ODMメーカーからサーバーを調達するODM Directの出荷台数は、前年同期比で108%増加し、4四半期連続でx86サーバーの出荷台数の10%以上を占めた。
一方で、ODM Directを除いたベンダーによるx86サーバーの総出荷台数は、前年同期とほぼ同じだった。
IDC Japan サーバー マーケットアナリストの加藤慎也氏は、「今期の国内サーバー市場は、出荷額に加え、出荷台数も前年同期比で5四半期ぶりにプラス成長を確保した。しかし出荷台数は、主にクラウドサービスプロバイダーへ出荷されるODM Directがけん引しており、x86サーバー以外の出荷台数は減少している。出荷台数の減少は将来の更新需要減に直結するため、将来における出荷額の減少要因となる。そのため各サーバーベンダーは、直近の平均単価上昇による出荷額の増加に満足せず、クラウドサービスプロバイダー向けの出荷を増やしていくか、他の需要家へ向けた収益性の高い事業を確立していくか、判断すべきである」と述べている。
今回の発表について詳細は、IDCが発行した「 国内サーバー市場 2015年~2019年の予測:2015年第2四半期 」にまとめられている。