SDN技術を一部でも導入している企業の割合は30%から45%へ大きく増加
発表によると、SDNの認知と理解度は、年々高まっており、企業ネットワークにSDN技術が浸透し始めていることが明らかになった。
企業のデータセンター/サーバールームにおいてSDN技術を一部でも導入した企業の割合は、2014年調査では29.9%であったのに対して、2015年の調査では45.3%へと大きく増加している。また、導入予定を有する企業の比率も、1年前の調査と比べて増えており、SDN技術の導入がよりいっそう具体性を増していることがわかった。
この調査では、ネットワークにおける仮想化技術の導入状況も明らかになった。仮想化技術の1つである、セキュリティやWAN最適化などのネットワーク機能をネットワーク側で提供するvCPE(virtual Customer Premises Equipment)/NFV(Network Functions Virtualization)サービスに対しては、企業は導入に前向きであることがわかった。
従業員数1,000人以上の大企業では、vCPE/NFVサービスの導入済みまたは検討中の企業の割合が約57%にまで達している。企業の拠点に設置するネットワーク機器を削減できる点が、 vCPE/NFVサービスの導入メリットであると多くの企業が感じている。
ネットワーク機能の仮想化に企業は前向きだが、価格設定には改善の余地
一方で、vCPE/NFVサービスや仮想アプライアンス/NFV for Enterpriseなどのネットワーク機能の仮想化技術が有するさまざまな導入効果に対する受容性は高いものの、導入コストの高さが最大の阻害要因になっていることも明らかになった。初期費用を抑える価格体系や、安価に利用できるメニュー作りなど、価格設定については、改善すべき余地は大きいとIDCではみている。
企業におけるSDNの認知度は向上しているが、SDNソリューションベンダーは、これをSDNソリューションが売りやすくなったという側面だけで捉えるべきではないとIDCでは考えている。
IDC Japan コミュニケーション ズ グループマネージャーの草野賢一氏は、「SDNソリューションを売るのではなく、SDNがもたらす本質的な価値によって企業ネットワークの進化に寄与するという姿勢を打ち出すべきである。顧客が欲しいのはSDNソリューションではない。それがもたらす本質的な価値によって、自社のネットワークの運用性を高めビジネスへの寄与度を高めることを望んでいることを理解すべきである」と述べている。
今回の発表はIDCが発行した「2015年 国内ネットワーク機器市場 企業ユーザー調査」にその詳細が報告されている。