2015年のハード市場は前年比3.4%減、ITサービスは2.7%増、パッケージソフトは4.2%増
国内IT市場を構成する国内ハードウェア市場、国内ITサービス市場、国内パッケージソフトウェア市場の2015年の市場規模と 前年比成長率は、それぞれ6兆5,955億円、マイナス3.4%、5兆3,694億円、2.7%、2兆8,188億円、4.2%と予測している。国内IT市場に国内通信サービス市場を加えた国内ICT市場の2015年の市場規模は、25兆5,513億円、前年比成長率はマイナス0.7%と予測している。
2015年の国内IT市場は、前年の成長を押し上げたPC市場が大幅なマイナス成長となるものの、スマートフォン 市場が前年のマイナス成長からの反動でプラス成長となる上、円安によるサーバー市場などにおける平均単価の上昇が影響し、ほぼ横ばいと予測する。
国内IT市場の2014年~2019年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は1.3%、国内ICT市場のCAGRは0.0%と予測している。2019年の国内IT市場規模は、15兆7,604億円、国内ICT市場規模は25兆7,264億円と予測する。
戦略的IT投資に必要な人材育成や中途採用の積極的な実施企業が少ないという課題
このレポートでは、ITユーザー企業でIT支出に関する決裁権を有する職位の人5,800人余りに、IT部門と非IT部門(事業部、マーケティング、セールス部門など)との関係や、全社プロジェクトの有無などについて聞いた調査結果を報告している。
日本のITユーザー企業では、大企業を中心にIT部門と非IT部門との連携がとれている企業が多いものの、戦略的IT投資について、両者が連携して検討を本格化している企業はまだ少ないのが現状だ。また、全社プロジェクトにおいては、未だ戦略的IT投資に必要な人材育成や中途採用を積極的に実施している企業が少なく、人材面での課題も指摘されている。
IDC Japan ITスペンディング グループマネージャーの廣瀬弥生氏は、「ITベンダーはより中期的観点から、国内のユーザー企業が事業成長にITを活用するに当たり不足している人材や情報面などを考慮し、ITを活用した経営戦略を協調して検討していくべきである」と分析している。
今回の発表はIDCが発行したレポート「国内製品別IT市場 2015年第2四半期までの実績と2015年~2019 年の予測」に詳細が報告されている。