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通信事業者向けネットワーク機器市場、2015~2020年の年間平均成長率11.0%――IDCが予測

2020年に向け5Gサービスのネットワーク構築需要が最大の市場機会に

 CSP向けルーターとイーサネットスイッチに公衆無線LANサービス向け無線LAN機器を加えた国内CSP向けネットワーク機器市場は、2015年~2020年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)が11.0%と再び拡大に転じ、2020年の市場規模は1,770億8,200万円に達するとIDCでは予測している。

 2016年以降の国内CSP向けネットワーク機器市場は、通信事業者の新サービス提供用ネットワーク構築需要によって、再び成長に向かうとみている。とりわけ、2020年にサービス開始が予定されている5Gサービスのネットワーク構築需要が最大の市場機会になり、CSP向けルーター市場とイーサネットスイッチ市場をけん引する。

 2015年~2020年のCAGRは、CSP向けルーター市場が8.6%、CSP向けイーサネットスイッチ市場も15.1%と高い成長を予測している。

2015年はLTEサービス展開の終息と通信事業者の設備投資抑制でマイナス成長

 一方で足元の市場環境は厳しく、2015年の国内CSP向けネットワーク機器市場は、予測以上に低迷した。LTE(Long Term Evolution)サービス展開の終息と、通信事業者の設備投資抑制の強化が大きく影響した。そのような厳しい市場環境において、シスコシステムズとアラクサラネットワークスはシェアを伸ばした。

 シスコシステムズは、顧客基盤とラインナップの広さを生かして売上を確保に成功し、アラクサラネットワークスは、新たな導入先の獲得とプロジェクトの拡大が売上増加につながった。一方で、2014年まで大きな売上を上げていたイーサネットスイッチ中心のベンダーは、通信事業者の投資抑制への転換に歩調を合わせるようにシェアが低下した。

 2020年に向けて、国内CSP向けネットワーク機器市場は、再び成長すると予測している。一方で、5Gサービスの開始までは、国内通信事業者による大規模投資の状況は不透明であり、ベンダーにとってはチャレンジの時でもある。

 IDC Japan コミュニケーションズ グループマネージャーの草野賢一氏は、「非常に重要な時期を迎える今後の数年間において、CSP向けネットワーク機器ベンダーは、2020年攻略の戦略を早期に策定し実行すべきである。固定通信サービスを含めた次世代ネットワーク展開のターゲットである2020年までの数年間に、どのような事業戦略に基づき、どのように製品開発するかが、2020年代の国内CSP向けネットワーク機器市場での成否を分けると言っても過言ではない」と述べている。

参考資料:国内CSP向けネットワーク機器市場 支出額予測、2014年~2020年(作成:IDC Japan)  

 今回の発表は、IDCが発行した「国内CSP向けネットワーク機器市場予測、2016年~2020年:通信事業者向けルーター、イーサネットスイッチ」にその詳細が報告されている。また、「国内CSP向けネットワーク機器市場シェア、2015年:通信事業者向けルーター、イーサネットスイッチ」)では、2015年のCSP向けネットワーク機器市場におけるベンダーシェアとベンダー動向を分析している。

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