最新版の「VMware vSphere」「VMware Virtual SAN」「VMware vRealize Automation」では、それぞれ新たにコンテナへの対応機能が追加されており、開発者の生産性向上と、IT部門のコンテナ化されたアプリケーションのより簡単な運用を可能にするとしている。
■「VMware vSphere 6.5」:最新アプリケーションのための次世代インフラ
「VMware vSphere 6.5」は、強化された自動化と管理の機能、包括的な組み込み型セキュリティ、そしてコンテナなどの新しい種類のアプリケーションへの対応などの機能を通じて、これまで以上に簡素化された優れた操作性を提供するという。
これらの新機能を搭載した「VMware vSphere 6.5」は、既存のアプリケーションだけでなく、3Dグラフィックス、ビッグデータ、クラウドネイティブ、コンテナ、機械学習、SaaSなどの最新のアプリケーションを、所在地に関係なくどこでも稼働させることができるユニバーサルなアプリケーションプラットフォームを実現するとしている。
今回発表された最新版の特徴は次のとおり。
・VMware vCenter Serverアプライアンス:VMware vSphere環境向けのシンプルなビルディングブロックとして、単一の仮想アプライアンス上に主要な機能が組み込まれているため、導入、管理の複雑性を軽減できる。この仮想アプライアンスは、vCenter Server環境のパフォーマンスや拡張性を2倍に向上するとともに、パッチの適用、アップグレード、バックアップ/リカバリ、高可用性などに関する運用をさらに簡素化できる。
・REST API:新たに搭載されるREST APIを通じて、最新のアプリケーションを稼働させる仮想インフラのコントロールと自動化をさらに強化することで、IT部門と開発者の利用体験をさらに向上。
・新しいVMware vSphere Web Client:HTML5 をベースとした新しいvSphere Web Clientにより、パフォーマンスや使いやすさなど、ユーザの要望に応える最新のネイティブ ツールを提供することで、管理業務を簡素化。
・仮想マシンの暗号化:新たに提供される仮想マシン レベルの暗号化機能により、権限のないデータへのアクセスからデータを保護するとともに、VMware vMotionでマイグレーションする仮想マシンのデータも保護。
・セキュアブート:画像の改ざんや、vSphere 環境への許可されていないコンポーネントの侵入を防止。
・VMware vSphere Integrated Containers:IT 部門がアプリケーション開発チームに対して、Dockerと互換性のあるインターフェイスを提供。これにより、vSphereのユーザは既存のインフラを再設計することなく、コンテナを活用したビジネストランスフォーメーションを実現。
■「VMware Virtual SAN 6.5」:ハイパーコンバージドインフラのTCOをさらに削減
最新版では、コンテナや物理環境のワークロードへの対応を強化することで、TCO(総所有コスト)をさらに50%削減。最新版の新機能には、iSCSIストレージとしての利活用、リモートオフィス/支社環境向けに2ノード構成に対応することによるネットワーク機器のコスト削減、VMware Virtual SAN Standard Editionでのオールフラッシュ対応などが含まれる。
今回発表された最新版の主な特徴は次のとおり。
・iSCSIストレージとしての利活用:Virtual SANストレージを、外部の物理ワークロードのiSCSIターゲットとして利用できるようになった。例えば、限られた台数の物理サーバ上で稼働するフェイルオーバークラスタリングを搭載したMicrosoft SQL Serverなどのクラスタ化されたアプリケーションなどに利用できる。
・コンテナへの対応:VMware vSphere Integrated Containersと併用することで、コンテナ化されたアプリケーション向けの永続的なデータレイヤを構成できる。
・2ノードのダイレクト接続をサポート:2台のノードをクロスオーバーケーブルで直接接続する構成をサポート。これにより、リモート オフィス/支社環境のVirtual SANシステム間のルーター/スイッチの導入が不要になるため、拠点あたりのインフラコストを15~20%削減できる。
・REST APIと拡張されたPowerCLI:エンタープライズ クラスの自動化機能によってレスポンスを高速化し、Virtual SAN環境でクラウドのような優れた柔軟性と管理性を実現。
・512eのHDDとSSDに対応:512エミュレートのディスクに対応することで、より容量の大きいドライブにも対応できる。
■「VMware vRealize」:Microsoft Azureとコンテナに対応し、利便性をさらに強化
VMware vRealize AutomationやVMware vRealize Log Insightの大幅な機能強化を含む、クラウド管理プラットフォームのアップデートを発表した。企業のIT部門および開発者のニーズにさらに応えるため、VMware vRealize Automation 7.2では、Microsoft Azureへの対応や新たなコンテナ管理機能を搭載している。
また、IT部門とDevOps ユーザは、アプリケーション視点のネットワークやセキュリティを備えた統合的なマルチ ティア アプリケーションの配信を簡素化するための統合サービスブループリント機能を、Microsoft Azure上でも利用できるようになる。
これによりvRealize Automationは、Microsoft Azureに加え、Amazon Web Services(AWS)、VMware vCloud Air Networkのパブリック クラウドに対応することになる。
VMware vRealize Automation 7.2では、新たにコンテナに対応することで、開発者やアプリケーション部門はアプリケーションの配信をさらに高速化できる。高い拡張性を備えた軽量なコンテナ管理ポータルであるAdmiralを搭載しており、Dockerホストにコンテナを展開し、管理できるようになるとともに、Dockerが対応するOSにも対応できる。