国内人材管理市場の2015年度の売上金額は29億5,000万円、前年度比32.3%増と大幅な伸びとなった。カオナビやあしたのチームなど、従来の人材管理とは一線を画した製品・サービスが急速な伸びを示しており、市場の活性化に大きく貢献している。
また、人材管理システムはこれまでグローバルなビジネス展開を行っている大企業を中心に導入が進んできたが、近年、中堅・中小企業でも導入が進みつつある。これらを背景にして2016年度も同34.9%増と引き続き高い伸びが見込まれる。
人材管理市場をパッケージとSaaSの提供形態別で比較すると、SaaSでの導入が急速に増えつつあることから、パッケージ市場のCAGR(2015~2020年度)7.1%に対し、SaaSは同25.6%を予測している。
ITRのプリンシパル・アナリストである浅利浩一氏は、「国内人材管理市場は、前回2013年度の調査から激変し、全ての従業員規模の企業で導入が進んできています。その背景には、新たなSaaS専業製品が増えてきていることに加えて、これまでのオンプレミスにないユニークなビジネスモデルで急成長するベンダーが市場を牽引していることなどがあります。今後も、質の高い人材を求める企業のニーズに応えるべく、より人材管理機能に特化した製品/サービスが市場を活性化していくと予測しています」とコメントしている。
今回の発表について詳細は、ITRが発行した市場調査レポート「ITR Market View:人事・人材管理市場2017」に掲載されている。レポートには、人事管理、給与管理、人材管理、採用管理の全4分野を対象に、国内44ベンダーへの調査に基づいた2014~2015年度売上げ実績および2020年度までの売上げ予測を掲載している。