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ガートナー、IT部門およびユーザーに影響を与える重要な展望「Gartner Predicts 2018」を発表

 2018年以降にIT部門およびユーザーに長期的かつ大きな変化を与える10の重要な戦略的展望は次のとおり。

 ・2021年までに、ビジュアル検索/音声検索に対応できるようWebサイトを再設計した早期採用企業は、デジタル・コマースにおいて30%の売り上げ増を達成する

 音声およびビジュアル・ベースのクエリによって、消費者の関心や意図に対するマーケティング担当者の理解が高まる。さらにスマートフォンから入手できるコンテキスト情報と組み合わせることで、早期採用企業のブランドおよびコマース・サイトはこうした検索様式への消費者のシフトをフル活用するとともに、コンバージョン率や売り上げ増、新規顧客獲得、市場シェア、顧客満足度において評価される競争優位性を獲得する。

 Amazon EchoやGoogle Homeなどの製品によって具体化される音声デバイスへの消費者の需要は、2021年までに35億ドルを創出することが見込まれる。デバイスから、いわばハンズフリーでシステムを活用する手法を開発できるブランドは、デジタル・コマースの売り上げが急成長する。

 ・2020年までに、デジタルの巨大企業トップ7社のうち5社は「自己破壊」を意図的に推進し、リーダーシップを発揮する次なる機会を創出する

 新たな活動を行う中で、デジタル分野の巨大企業(Alibaba、Amazon、Apple、Baidu、Facebook、Google、Microsoft、Tencentなど)は影響力が大きくなり過ぎ、新しい価値のシナリオを創出することが難しい状況になると考えられる。これが、最終的に自己破壊につながる。自己破壊戦略では、たとえ自社を破壊しなければならないとしても、他社に先んじるために意図的に破壊を行う。これにはリスクが伴うが、何もしないリスクの方が高いこともあり得る。

 ・2020年末までに、銀行業界はブロックチェーンに基づく暗号通貨を使用して10億ドルのビジネス価値を得る

 現在世界で流通している暗号通貨の総額は1,550億ドルに上り、この額はトークンが急増し続け、市場の関心が高まるにつれて増加している。暗号通貨は、それを支える技術基盤やビジネス基盤よりも成熟している。これは、トークン化された開発を主流の企業が信用していないことにも一因がある。

 しかし、銀行が暗号通貨とデジタル資産を従来の金融商品と同じ文脈で捉えるようになると、より分散されたビジネス価値が生じ始める。そのためには、すべての業界が商品とサービスの価格設定、会計および課税方法、決済システム、リスク管理機能といった現在の法定通貨ベースのビジネスモデルの側面を見直して、新たな形態の価値を事業戦略に取り込む必要がある。

 ・2022年までに、成熟した経済諸国の大多数の国民は正しい情報より誤った情報を多く利用するようになる

 「偽ニュース」は2017年に、世界中で政治およびメディアの大きなテーマになった。現在、偽ニュースは一般に認識されているが、デジタルによって作成されたコンテンツは事実でも真正でもない情報であり、その影響力はニュースの持つ側面をはるかに超えると認識することが重要。

 企業にとって、ソーシャル・メディアが支配的な言説におけるこのようなコンテンツの加速は、現実的な問題を提起する。企業は自社ブランドに関する直接的な発言を注意深くモニタリングするだけでなく、その文脈も確認することで、自社のブランド価値に有害なコンテンツと関連付けられることがないようにする必要がある。

 ・2020年末までに、AI主導で「偽りの現実」(偽のコンテンツ)を作成するペースが、それを検知するAIの能力を上回り、デジタル化への不信感が高まる

 「偽りの現実」とは、実際に生じても存在してもいないことを事実とする画像、動画、文書、音声をデジタルによって作成すること。過去30年間、コンテンツの配布がほとんど規制されていない中、膨大な数のユーザーがインターネットにアクセスできるようになったことで、多少または大幅に改変したコンテンツを作成し、拡散させる能力は飛躍的に高まった。このような拡散の次の波は、マシンにより生成され拡散されるコンテンツとなる。

 ・2021年までに、50%超の企業では、ボットとチャットボットの開発にかける年間支出が、従来のモバイル・アプリ開発支出を上回る

 ユーザーの関心は、モバイル・デバイスの個々のアプリからシフトし、ボットやチャットボットといった新興のポストアプリ・テクノロジ間で分かれつつある。今日チャットボットはAIの顔であり、今後は人とのコミュニケーションに関わるあらゆる領域に影響を与える。

 ボットには、アプリ自体の作成方法を変革する力があるとともに、テクノロジとユーザーの関わり方を変える可能性がある。チャットボットや仮想アシスタントとして展開し、ボットを適切に使うことで、タスクを迅速に自動化することができ、質疑応答のやりとりを含む、イレギュラーな作業に時間を割けるようになるため、従業員や顧客のエンゲージメントも高まると考えられる。

 ・2021年までに、ITスタッフの40%は複数の役割を担うバーサタイリストになり、その役割の大半は、テクノロジよりもビジネスに関わるものとなる

 2017年、IT要員全体のうちITスペシャリストが占める割合は約42%になる。しかし、デジタル・ビジネスの取り組みに多くのITバーサタイリストが求められるようになることで、2019年までに、IT技術スペシャリストの採用は5%以上減少するとガートナーは予測している。

 オンデマンド・インフラストラクチャをサポートできるインフラストラクチャとオペレーション(I&O)へのニーズが生じるに伴い、このシフトはI&Oから始まる。I&Oのしっかりとした基盤が確立された後、バーサタイリストの側面を持つ非技術系のITマネージャーとリーダーが増える。

 こうしたリーダーシップの波の次にビジネス・インテリジェンス(BI)のようなマーケティング指向のデジタル・ビジネスの取り組みが続き、さらにソフトウェア開発、デジタル製品管理、プロジェクト/プログラム/ポートフォリオ管理、カスタマー・エクスペリエンス管理およびアーキテクチャが続く。

 ・2020年、AIは正味の新規職業を生み出す明確な要素となる。AIによって消える仕事が180万件であるのに対して、230万件が創出される

 2019年にかけては、AIが生む仕事よりもAIによって消える仕事が多くなるが、2020年にはこの不足分を補って余りある数の仕事をAIが創出すると、ガートナーは確信している。創出される仕事と消える仕事の正味の数は業界ごとに大きく異なり、全体として仕事が減る業界もあれば、数年間だけ仕事が減る業界もある。また、医療や教育といった一部の業界では仕事がなくなることはない。AIは多くの仕事の生産性を高めるとともに、創造的に活用することで人々のキャリアの質を高め、従来のタスクを見直し、新たな業種を生み出す可能性がある。

 ・2020年までに、モノのインターネット(IoT)テクノロジは、新製品の設計においてエレクトロニクスの95%に搭載される

 スマートフォン管理、クラウド・コントロール、低価格なイネーブリング・モジュールを組み合わせると、洗練されたモニタリング、管理、コントロールが最小限の追加コストでターゲット・デバイスにもたらされる。IoTの出現によって、買い手はIoT対応製品に急速に引き付けられ、IoT対応製品への関心と需要は急速に高まる。すべてのサプライヤーは、消費者および企業バイヤーの両方に対して、最低でもIoTテクノロジを製品に搭載する計画を策定しなければならない。

 ・2022年末までに、IoT向けのセキュリティ予算の半分は、セキュリティ保護ではなく、障害修復/リコール/安全上の不備への対応に費やされる

 プロジェクトやイニシアティブの一環としてのIoT導入に関連するリスクは、IoTの成長に伴って、あらゆる業界と市場セクタに「広範にわたるデジタル・プレゼンス」が出現する際に生じる意図せぬ結果から大きな影響を受ける。携帯電話や他のリモート・システムで行われているような定期的なデバイスのアップデートの必要性が多くの要因によって高まり、このようなアップデートを実行できないと、大規模な製品リコールという結果を招くこともあり得る。

 産業分野ではスケールと多様性はそれほど重要ではないかもしれないが、個人、環境、そして安全システムを制御する豊富な規制についての安全を維持する必要性によって、これらのシステムにおけるIoT利用の急速な広がりが、これらのシステムのセキュリティ確保に規制上の影響を与える。

 

 ガートナーが10月31日から11月2日に、東京(グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール)で開催する「Gartner Symposium/ITxpo 2017」では、前記の展望の解説をはじめ、ガートナーの国内外のアナリストやコンサルタントが、デジタル・ビジネスとデジタル・テクノロジについて幅広い提言を行う。重要な戦略的展望については、11月1日午前9時からの講演「【シグニチャ・シリーズ 】 ガートナーの重要な展望:平常心を保つためにペースを整えよ」で詳しく解説する。

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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)

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