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国内サーバー市場、縮小均衡が見込まれるがシステムタイプ別 配備モデル別に見ると成長セグメントがある――IDC予測

  2018/06/25 15:00

 IDC Japanは、国内サーバー市場 システムタイプ別予測を発表した。IDCでは、新たに国内サーバー市場におけるシステムタイプ別支出額を試算した。具体的には、「SoR(Systems of Record)」「SoE(Systems of Engagement)」「SoI(Systems of Insight)」「システム基盤プラットフォーム」「機器/装置制御システム」の5つになる。なお、この調査レポートでは、5つのシステムタイプをグルーピングして、「SoR」「SoE/SoI」「Other」の3つのセグメントに分けて支出額の予測値を試算した。「SoE/SoI」は、「SoE」と「SoI」を合算したセグメント。「Other」は「システム基盤プラットフォーム」と「機器/制御システム」を合算したセグメントとなる。

2017年~2022年の年間平均成長率はマイナス4.3%

 2022年の国内サーバー市場は4,020億6,900万円になると予測している。2017年~2022年の5年間における年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)はマイナス4.3%。システムタイプ別に見ると、SoRが1,415億3,200万円で、同CAGRはマイナス6.0%、SoE/SoIが440億7,600万円で同CAGRがマイナス4.3%、Otherが2,164億6,100万円で同CAGRがマイナス3.2%となった。

 国内サーバー市場におけるシステムタイプ別の予測を、さらに配備モデル別に細分化して分析すると、プラス成長を望めるセグメントが存在していることが分かる。なお、配備モデルとは、クラウドもしくはトラディショナル(Non-Cloud)。

 国内SoR向けサーバー市場の支出額を配備モデル別に見ると、2017年~2022年のCAGRは、SoR on Cloud(クラウド)が2.0%、SoR on Traditional(トラディショナル)がマイナス8.1%になるとIDCは予測している。

 また、同市場における2022年のクラウドとトラディショナルの構成比は、クラウドが2017年の17.9%から8.9ポイント増加して26.8%に、トラディショナルは逆に82.1%から8.9ポイント減少して73.2%になると見込んでいる。つまり、ビジネスアプリケーションといった用途が主体のSoR向けサーバーにおいても、配備モデルがトラディショナルからクラウドへとシフトするということになる。

SoE/SoI on CloudではCRMとコグニティブ/AIシステム関連が新規需要のポイント

 次に、国内SoE/SoI向けサーバー市場の支出額を配備モデル別に見ると、2017年~2022年のCAGRは、SoE/SoI on Cloud(クラウド)が1.6%、SoE/SoI on Traditional(トラディショナル)がマイナス7.9%になるとIDCは予測している。また、同市場における2022年のクラウドとトラディショナルの構成比は、クラウドが2017年の33.8%から11.8ポイント増加して45.6%に、トラディショナルは逆に66.2%から11.8ポイント減少して54.4%になると見込でいる。

 さらに、国内Otherシステムタイプ向けサーバー市場の支出額を配備モデル別に見ると、2017年~2022年のCAGRは、Other on Cloud(クラウド)が0.9%、Other on Traditional(トラディショナル)がマイナス5.5%になるとIDCは予測している。また、同市場における2022年のクラウドとトラディショナルの構成比は、クラウドが2017年の32.8%から7.6ポイント増加して40.4%に、トラディショナルは逆に67.2%から7.6ポイント減少して59.6%になるとみている。

 CAGRがプラスであるセグメントを成長セグメントと捉えるとすれば、該当するのはSoR on Cloud、SoE/SoI on Cloud、およびOther on Cloudの3つのセグメント。しかし、成長セグメントと目される3つのセグメントには異なる特性があり、サーバー関連ビジネスの成長戦略はそれぞれで異なる。

 たとえば、SoE/SoI on Cloudでは新規需要を攻略することが成長戦略になる。具体的には、企業規模の観点で裾野へと広がる余地があるCRMソリューションへの注力と、データに基づく洞察を得るためのコグニティブ/AI(Artificial Intelligence:人工知能)システム関連ソリューションの拡充およびデマンドクリエイションになる。また、唯一、サーバーハードウェアの差別化による競争力の強化が可能な成長セグメントでもあるとIDCではみている。

 IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ グループマネージャーである福冨里志氏は「サーバーベンダーには、それぞれの成長セグメントの特性と注力ポイントを理解した上で、自社および自社が加わっているエコシステムでカバーできる領域を見極め、製品戦略、パートナー戦略、販売戦略へと落とし込むことが求められる」と述べている。

参考資料:システムタイプと配備モデルから見た国内サーバー市場における成長セグメント(作成:IDC Japan)

 今回の発表は、IDCが発行したレポート「国内サーバー市場 システムタイプ別予測、2018年~2022年」にその詳細が報告されている。調査レポートは、国内サーバー市場におけるシステムタイプ別支出額の予測を提供するもの。システムタイプとは「SoR(Systems of Record)」「SoE(Systems of Engagement)」「SoI(Systems of Insight)」「システム基盤プラットフォーム」「機器/装置制御システム」の5つになる。

 これら5つのセグメントのうち、「SoR」と、「SoE」および「SoI」を合算した「SoE/SoI」、および「システム基盤プラットフォーム」と「機器/制御システム」を合算した「Other」の3つのカテゴリーについて市場規模を推計し分析している。なお、本調査レポートは2017年第4四半期版の「IDC Quarterly Cloud IT Infrastructure Tracker」および2017年下半期版の「IDC Semiannual Server Tracker: Workloads」に基づいている。

 ■システムタイプについて

 ・SoR(Systems of Record):法人や個人事業主の事業活動(商取引)や公的機関における公的サービス提供活動の記録や処理を行うシステム。

 ・SoE(Systems of Engagement):エンゲージメントには外部エンゲージメントと内部エンゲージメントがある。外部エンゲージメントは主に顧客および取引先との関係性である。内部エンゲージメントは社員や従業員との関係性である。ここでは顧客エンゲージメントに関わるシステムのみをSoEとして扱う。

 ・SoI(Systems of Insight):収集したさまざまなデータの分析を通して、洞察(インサイト)を得るためのシステム。

 ・システム基盤プラットフォーム(SIP:System Infrastructure Platform):システムを安全かつ安定的に連携して運用するためのシステムや、コミュニケーションや共通ファンクションを提供するためのシステム。なお、科学技術計算やアプリケーション開発などの用途も含める。

 ・機器/装置制御システム(A/DCS:Apparatus/Device Control Systems):医療機器、キオスク端末、ビルファシリティ管理、自動倉庫システム、ファクトリーオートメーションにおける産業用ロボットや工作機械などの制御を主目的とするシステム。

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著者プロフィール

  • EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)

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