クラウド上で大規模なメモリを提供するAmazon EC2 High MemoryインスタンスにAWSの俊敏性と信頼性が備わることにより、AWSのユーザーは自社のインメモリデータベースを容易に拡張でき、ストレージ、ネットワーキング、IoT、アナリティクス、および機械学習を含む、AWSのその他のサービスにシームレスに統合することができるという。
単一のサーバー上でリアルタイムに数テラバイトのデータを処理するインメモリデータベースには、アプリケーションの俊敏性を高めるために、予測可能なメモリ拡張能力と、クラウドにホストされたビジネスロジックへの低遅延での接続が求められる。クラウドに移行した企業は、自社の大規模なインメモリデータベースをクラウド上で稼働し、同データベースと連携するその他のサービスを近くで運用したいと考えている。
このニーズに応えるために、一部のプロバイダーはオンプレミスまたは共同設置されたデータセンター上でホストされたインメモリデータベースを提供している。しかし、このアプローチでは、この環境をクラウドに接続するために余分なネットワークが必要となり、コスト増、より複雑な運用、アプリケーションの遅延と変動制の増加といった問題が生じる。
それに対して、6テラバイト、9テラバイト、12テラバイトからなるAmazon EC2 High Memoryインスタンスを使用すれば、自社のインメモリデータベースを、その他のエンタープライズアプリケーションと同じようにAmazon VPC(Amazon Virtual Private Cloud)のクラウド上で稼働でき、低遅延、運用の簡素化、およびより高いレベルの予測可能なパフォーマンスの恩恵を得ることができるという。
ユニクロを展開しているファーストリテイリングは、これまで、SAP HANAを4テラバイトのメモリのAmazon EC2 X1eインスタンスで稼働していたが、今後は、6テラバイトの新しいAmazon EC2 High Memoryインスタンスに移行する予定だという。
Amazon EC2 High Memoryインスタンスは、Business Suite on HANA、次世代のBusiness Suite S/4HANA、Data Mart Solutions on HANA、Business Warehouse on HANA、およびSAP BW/4HANAを本番環境で稼働するための認定をSAPから取得している。
現在、Amazon EC2 High Memoryインスタンスは、米国東部(バージニア北部)とアジアパシフィック(東京)のAWSリージョンで3年間のリザーブドインスタンスとして提供されており、数か月中に米国西部(オレゴン)、欧州(アイルランド)、AWS GovCloud(米国西部)で利用可能予定だとしている。