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ServiceNowはシステムの可視化、最適化でトラブルを未然防止し更なる働き方改革を具現化する

ビジネス的観点からシステム障害を検知する

 ――ITOMを活用するためには、ITSMの導入が前提となりますか?

 スターン氏: 必ずしもITSMがいるわけではありません。ITOMを活用する前提条件は、CMDB(Configuration Management Database:構成管理データベース)にアクセスできることです。CMDBは、ServiceNowのITSMにもITOMにも入っています。またそれらとは別に、企業では資産管理などのためにCMDBを構築している場合もあります。そういった場合は、CMDBにITOMで必要な情報がないこともあります。その際にはITOMのディスカバリー機能で足りない情報を自動収集できます。

 ネットワークやサーバー、ストレージなどの情報を水平的に網羅し集める、さらにはアプリケーションやサービスごとに垂直的にもCMDBに情報を集めます。そうすることで、単にどこのサーバーがおかしいといったことを見つけるだけでなく、ビジネスの観点で障害などの状況が見られるようになります。例えばCRMに障害が発生した場合、サーバーの障害を知るのではなく、サービスの利用状況からビジネスの文脈で障害を判断します。

 時系列的にITSMから入ってITOMへ利用を拡大する顧客が多いのですが、CMDBを整備すればITOMから入ることも可能です。両方を組み合わせてワークフローを作り、業務プロセスを効率化するのがトレンドです。既にITSMが入っていてCMDBも活用していれば、ITOMは素早く展開できるでしょう。

 ――ServiceNowとIBMはパートナーシップを締結しましたが、IBMとともにビジネスを行うことでどのような効果を目指しますか。

 スターン氏: IBMとServiceNow双方の顧客のクラウド移行をよりスムースにすることを目指しています。それにより顧客企業のデジタル変革を支援するのです。IBMにもマルチクラウドを管理する機能はあります。ServiceNowと組み合わせることで、それをより拡張できます。結果として、顧客のマルチクラウド活用をより効率化できるのです。IBMとServiceNowの組み合わせで、アプリケーションやサービスのレベルでさまざまな可視化を実現する。その上で可用性をコントロールし、サービスレベルも向上します。

 高山氏IBMにもシステムの詳細を可視化する自社の管理ツールがありますが、さらに他社のシステムも含め、全てを可視化するためにITOMを利用します。その際にたとえばITOMの情報を使ってIBM Watsonをコールし、ログ情報にAI機能を適用し判断結果を返すことも可能です。得られた結果を、ITOMやITSMでハンドリングするのです。つまり、ServiceNowとIBMのソリューションは競合するのではなく、協調し相乗効果を発揮します。

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業種業界を選ばずデジタル変革を手助けする

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

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