デル・テクノロジーズ(以下、デル)は2026年3月27日、人材育成プログラムの本格始動に関する記者会見を開催した。同社は、2024年9月に「Dell Technologies AI innovation Lab」を立ち上げて以来、実証・共創・教育の観点からイノベーションの促進を目指してきたが、今回はその中でも教育、とりわけ育成領域を強化するものとして同プログラムを本格始動するという。
同社 プリセールス センター オブ エクセレンス 部長 上田倫子氏
同社 フィールドCTO 望月亮氏
デル・テクノロジーズ 常務執行役員 ソリューションズアーキテクト統括本部長の藤森綾子氏は会見冒頭、日本市場におけるデジタル人材育成の課題を説明。その内容は、主に以下3点に集約できる。
- 労働力不足:少子高齢化や人口減少の加速やデジタル人材の慢性的な不足。そのほか、学びの機会が地域によって偏ってしまう
- 生産性/リスキリングの必要性:生産性向上が停滞しているとともに、デジタル投資にも後れが生じている。また、AIの台頭などにより、リスキリングやキャリアの再設計を行う必要性が出てきている
- 次世代育成/共創の場:次世代を担う人材を育成するうえでの課題が山積している。デジタルキャリアの門が狭いことや、産官学・コミュニティによる共創の不足などが挙げられる
これらの課題に対し、同社ではかねてより企業の次世代リーダー向けプログラム「Next Gen Leaders Program」を始動させてきた。今回はそれに加え、新たに「ITインフラストラクチャー基礎講座」「AI Workship」という2つのプログラムが発表された。
新たな2つのプログラムに関して、藤森氏は共通点に「グローバルな知見を活かした日本向けのプログラムであること」を挙げる。既に海外で展開されており、そこで成果を出しているものを日本でも実施できるように設計していることが特徴として語られた。
ITインフラストラクチャー基礎講座
同プログラムは、サーバー、ストレージ、ネットワーク、クラウド、サイバーセキュリティ、AIといったITインフラの各項目を、初心者向けに分かりやすく解説するもの。8カテゴリー10セッションで構成されており、講座は一方的な座学形式ではなく、講師との会話を重ねながら進められる。各セッションの概要は以下のとおり。
- コンピューターと情報:そもそもコンピューター・情報とは何かを解説。技術の歴史を振り返りながら、基本的な情報リテラシーについて学ぶ
- ITインフラストラクチャー概要:ITインフラとは何かを解説。サーバー、ストレージ、ネットワーク、データセンターの役割などについて学ぶ
- サーバー(前編・後編):サーバーの種類や役割、実際の中身などについて解説。また、サーバーにおける重要な概念である「仮想化」の仕組みにも触れる
- ストレージ(前編・後編):ストレージの概要や、ストレージ内にあるデータを安全・高速に保存するための仕組みなどを解説。サーバーとストレージの関係についても紹介する
- ネットワーク:ネットワークの基本的な構造やプロトコルについて解説。情報がどのような順番で処理され、相手のコンピューターに届くのかまでを学ぶ
- クラウドコンピューティング:クラウドの概要や、企業がクラウド上でどのようにシステムを動かしているのか、オンプレミスとの違いなどを交えて解説
- サイバーセキュリティ:バックアップやセキュリティの基礎とともに、主要なサイバー脅威や攻撃手法について解説。それらの脅威から身を守るために、企業がどのようにセキュリティ対策を実施しているか学ぶ
- 生成AI:AIの歴史や「機械学習」「ディープラーニング」「生成AI」の違いなどを解説。AIを使いこなすためのポイントやAIの今後についても紹介する
AI Workship
ITインフラストラクチャー基礎講座で基礎を学んだ後、実際に手を動かしながらAIについて体系的に学べるのがAI Workshipだ。既に同様のワークショップをシンガポールで実践しており、そこでの知見が元になっている。ITエンジニアを主要なターゲットに掲げ、最初は主に2つのプログラムを展開する予定だという。詳細は以下のとおり。
- AI Workshop for NVIDIA NIM:NVIDIA GPUを搭載したデルのサーバーを用いて実際にAIを稼働させ、エンタープライズ向けのAI開発・展開のイメージをつかめる講座。期間は1日(7.5時間)の対面開催だ。前半は座学で開発・運用の方法を学び、後半は実際にAIを動かすワークショップを予定している
- AI Workshop Featuring AI ISV:Run.aiやClearML、RafayなどのAI ISVソリューションを3日間で比較体験し、AIプラットフォーム選定の判断材料を提供する講座。マルチテナント構成や自動化を含むアーキテクチャの差異を理解しながら、GPUaaSについて学べる
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