「SAS Viyaファースト」で幅広く訴求
―― 2015年10月の社長就任以来、SAS日本法人は増収増益です。2018年における「SAS Viya」の売上は、前年比700%の成長でした。その要因は何だと分析しますか。
堀田氏 日本法人だけでなく、グローバルで見てもSASのビジネスは好調です。その要因は、SASが提供する機能や拡張性、可能性に対し、お客様が価値を見出していることだと考えます。
また、新たな提案をする際には「SAS Viyaファースト」を徹底しています。SAS Viyaは、分析と人工知能(AI)の活用に必要な機能を包括的に提供する、オープンなプラットフォームです。パブリッククラウドだけでなく、オンプレミスやプライベートクラウドなど、お客様の環境に合わせて構築可能です。当然、AWS上で構築したいというニーズもありますが、オンプレミス環境―お客様のデータセンターやクラウド―での運用が多いですね。業種、業界を問わず、導入を頂いています。
―― 日本市場での独自戦略はあるのでしょうか。
堀田氏 戦略と言うほどではありませんが、インダストリーの成功事例を水平展開し、サブインダストリーへの普及を実践していきます。また、SASのビジネスユニットであるJMPのユーザーを拡大していくことも戦略の1つです。つまり、デスクトップ環境で活用されているJMPのユーザーに対し、より大きな分析プラットフォームで本格的にデータ分析や活用に取り組んでもらう戦略ですね。その先には、例えば、現場の製造装置に分析機能を組み込んで、自動制御していくというフェーズがある。ですから、JMPユーザーがいるところには、JMPを入り口として、ポテンシャルがあると考えています。
―― 特定業種に特化したアプローチはしていますか。例えば、製造業などはいかがでしょう。
堀田氏 日本の製造業はマーケットサイズが大きいので、これからもSAS導入のポテンシャルはあるでしょう。
日本の製造業のお客様に対しては、SASが直接やり取りをしています。例えば、ブリヂストン様は、同社の製造機械(システム)にSASの分析機能を組み込み、自動制御をする環境を構築されています。お客様の環境に直接組み込むといった取り組みは、以前から注力しています。
日本の製造業は、品質管理を徹底しています。専門の分析担当者を配して自動化をするといった取り組みは、今後も広がるでしょう。そのような状況でSASのソリューションを導入して頂けるよう展開していきます。