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コンポーネントテストと統合テストってどう違うの?

第2回

ソフトウェア開発の基本となる「テストのマインド」を紹介する連載の第2回。今回は、テストレベルの意義や、それに基づいた効果的なテスト設計を勉強していきます。もちろん今回も、成夫君と伝子ちゃんが一緒です。

登場人物紹介
成夫くん

大路成夫(おおじ・なりお)

入社5年目の新米チームリーダーにして、

この連載の主人公。

テスト周辺の知識がちょっと怪しい。

伝子さん

江尾伝子(えび・でんこ)

成夫くんの後輩。

若手ながらなかなかの切れ者で、

テストについても成夫くんより詳しい。

先生

先生(せんせい)

この連載のガイド役。

ソフトウェアテストに長年携わってきた経験を活かし、

成夫くんに助言を与える。

舞台の紹介

 大路成夫(おおじ・なりお)君たちのプロジェクトは、もうしばらくすると統合テストに入ろうという時期です。第1回ではコンポーネントテストの勉強をしなおした成夫君。今は統合テストの計画とテスト設計を受け持っています。

著者注

 テストに関する用語はISTQBの用語集(日本語訳)に準拠しています。組織・企業によってはコンポーネントテストは「単体テスト」「ユニットテスト」、また統合テストは「結合テスト」などと呼ばれることがあります。

 成夫君は、さっきからずっとPCに向かって何やら思案の様子。そこへ江尾伝子(えび・でんこ)さんが背後から忍び寄ってきて――

テスト設計、そんなのでいいの?

伝子

センパイ! 何考え込んでるんですか!

成夫

うわあ! びっくりした!

伝子

そんなに驚かなくてもいいじゃないですか。

成夫

驚くよ! 考え事してるところに後ろから声かけられたら。

伝子

で、何を考え込んでるんですか?

成夫

うん…、統合テストの設計をやれと言われたわけだけど、
考えてるといろんなテストケースが必要だなあなんて思い始めて。

伝子

はかどらないんですか?

(成夫が見せたテスト設計のシートを覗き込む)

書いてるじゃないですか。一応。

成夫

(一応、ですか)

まあね…だけどこんなのでいいのかなあって思って。

伝子

どれどれ……。

…ふむふむ。確かにこんなのでいいのかなあって思うのが混じってますね。

成夫

(ホント、いちいちグサッと来ることを言うよなあ)

いや、これはまだ設計段階だからね。
アイデアを書き出してるだけで、これをテストで本当に流す気はないわけで。
でもまあ、よくないと思うところがあれば言ってみてよ。
ひょっとしたら、いい意見かも知れないし。

伝子

明後日の方を向いたまま話さないでください。台詞も棒読みですよ。
えー、それではセンエツながら指摘させていただきます。

成夫

(絶対僭越だなんて思ってないよな)

伝子

『データアクセスモジュールが有効な検索キーに対して有効なレコードを返すこと』
これ、センパイたちがコンポーネントテストでやったことじゃありませんか?

成夫

そうだけど、Aチームと結合した時にも
確認しておかないといけないだろうと思ったわけで。

伝子

(成夫の答をスルーして)それから、Bチームのレイヤーのスタブを使って
Aチームのレイヤーのテストを先に行うように考えられてるみたいですけど、
これもどうかなあって感じですね。

成夫

ああ、もうどうすればいいのか分からないよ!

伝子

センパイ、ウチは恵まれてる方なんですよ?
統合テストもいくらか考えやすくてやりやすい筈なんです。

成夫

…どういうこと?

伝子

それは最後の方で改めて取り上げるとして、
今回は『テストレベルの意義を振り返って見る』と題してお送りしますよ!

次のページ
テストレベルの違いを押さえよう!

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実践力を身につける! SEのためのソフトウェアテスト再入門連載記事一覧
この記事の著者

望月 信昭(モチヅキ ノブアキ)

(株)豆蔵勤務。プログラマー(SE)からテスト・品質関連のコンサルティングの道に入る。
 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://enterprisezine.jp/article/detail/1232 2009/03/17 09:00

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