クラウドの普及とともに必要になったシングルサインオン
Googleに対応するシングルサインオンの仕組みは「CloudGate」として市場に提供された。その後はSalesforce.comなども登場し、サービス対象の幅がどんどん広がっていく。その結果、2010年には120社がこれを利用し、4万アカウントを管理するまでに成長する。「当初は日本では、競合するサービスはありませんでした」―そう語るのは、インターナショナルシステムリサーチ 代表取締役のメンデス・ラウル氏だ。
ラウル氏は、米国カリフォルニア大学バークレー校で応用数学の博士課程を修了し、米国海軍大学大学院で数学助教授として勤めていた。そこでスーパーコンピュータの性能評価を通じて来日することとなり、その後はリクルートスーパーコンピュータの所長に就任する。5年間リクルートの取締役を勤めている間に日本で起業したいとの思いが強くなり、リクルートを退職後にインターナショナルシステムリサーチを設立した。
CloudGate(現在はCloudGate UNO)はパッケージ製品としてではなく、基本的には自前の環境でASP型のサービスとして提供されている。この環境は顧客向けのサービスなので、ダウンすることは許されない。そのために、インフラは当初から高可用性構成で運用し、さらに障害対策の訓練なども定期的に実施している。「認証の仕組みなので、朝の出勤時に負荷のピークが訪れます。そこでキャパシティ的にもレスポンス的にも問題が出ないかなど、常に対処しています」とラウル氏。
こういった対応で高稼動率を誇り、年間のダウンタイムは50分以下と高いレベルを保つ。このようなエンタープライズレベルのサービス品質が、CloudGate UNOが支持されている理由だとラウル氏は自信を見せる。