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ソーシャル・ソフトウェアとコラボレーションの世界市場は2023年までにほぼ倍の規模に――ガートナーが予測

  2019/10/09 10:00

 ガートナーは、デジタル・ワーカー向けサーベイを米国、欧州、アジア太平洋の地域で2019年3月から4月にかけて7,261人を対象に実施し、ワークプレース向けソーシャル・ソフトウェアおよびコラボレーションの世界市場が、2018年の27億ドル(推定)から、2023年までに48億ドル規模へと拡大するとの予測を発表した。

コラボレーション市場の進化

 コラボレーション市場は、数多くのサブマーケットに断片化している。その例が従業員コミュニケーション・アプリケーションや会議ソリューションであり、多くの場合、それらは互いに競合していない。

 ガートナーのアナリストでバイスプレジデントのクレイグ・ロス氏は、次のように説明している。  「現在、市場は勝者が独り勝ちする状況にはなく、規模拡大につながるイノベーションの機会が、それぞれのサブマーケットに存在します。今後、ソーシャル・ソフトウェアとコラボレーションの分野では、ソーシャル分析、仮想パーソナル・アシスタント(VPA)、スマート・マシンといった新機能が利用されるようになるでしょう」。

 現代のワークプレースでコラボレーション・ソフトウェアが使用されているのは、業務のルーティン化が進んでいることと関わりがある。コラボレーション・ソフトウェアは、潜在的なユーザーと購入者を抱える中国などの新興国において、既存ユーザー基盤での採用が拡大し続けている。

 2023年までに、世界のナレッジ・ワーカーは11億4,000万人まで増加し、その5分の4以上を新興国が占めるとガートナーは予測している。

市場動向

 企業は、より幅広いコラボレーション・テクノロジに対応するポートフォリオ・アプローチへと向かっている。ロス氏は次のように説明している。

 「企業の意思決定者は依然として基盤となるプラットフォームを求めてはいるものの、単一ベンダーのみでは対応できないことも承知しています。また、コラボレーション・サービスがインフラになりつつあるのは良いことですが、どの企業も異なる目標を持っているため、おのずとサイロ化を招くことになります」。

 コラボレーション市場は、以前からツール主導の市場だったが、その傾向は変わっていない。今注目を集めているワークストリーム・コラボレーションの先駆的ベンダーはSlackだが、その市場にMicrosoftとGoogleが参入した。膨大な数のグローバル企業が組織の生産性向上を目的にクラウド・オフィス・スイートを導入しており、それらの製品にはワークストリーム・コラボレーションがバンドルされている。

 非クラウド・オフィス・ベンダーは、より具体的なビジネス・シナリオ(営業、マーケティング、顧客サービス、サプライチェーンなど)、意思決定の役割、対応するユースケース、統合機能の強化、サードパーティとのパートナーシップに注力していく必要がある。

デジタル・ワークプレースが及ぼす影響

 ガートナーがグローバルで実施したデジタル・ワーカー向けサーベイでは、ソーシャル・メディアとリアルタイム・メッセージングは、エンタプライズ・コラボレーションにおいて重要な役割を果たしていることが明らかになった。

 調査対象者全体の58%は「リアルタイムのモバイル・メッセージング・ツールを日常的に使用している」と回答し、45%は「ソーシャル・メディア・ネットワークを日常的に使用している」と回答した。

 ロス氏は、次のように述べている。「デジタル・ワーカーは、プライベートでよく使用するツールを仕事でも使用しています。リアルタイム・モバイル・メッセージングは、ソーシャル・メディアやファイル共有ツールと同じように、企業の取り組みをサポートするツールとして非常によく活用されています。こうしたツールを使用することで、従業員が持つプライベートでの経験と業務での経験が効果的に融合されます」。

 購入の意思決定は、特定のビジネス・ニーズを反映した、ソーシャル・ソフトウェア市場内のカテゴリごとに行われるようになってきた。この変化は、各サブマーケットにおける支配的な企業の登場や企業の新規参入へとつながる可能性がある。

デジタル・ワークプレースの2つのトレンド

 ガートナーのアナリストでバイス プレジデントのジェフリー・マン氏は、「デジタル・ワークプレースには、2つのトレンドが見られる」とし、次の見解を述べている。

 「1つ目は、『デジタル・トランスフォーメーションの成功にはデジタル・ワークプレースが不可欠である』との認識が高まっていることです。デジタル・ワークプレースを持たない従業員が取り残されるような組織はデジタル・トランスフォーメーションを実現することはできません。組織をデジタル・ジャーニーへと推進させるのは現場の従業員であり、デジタル・ワークプレースは経営幹部にとっての優先事項となります」。

 「2つ目は、『最新テクノロジにより、コラボレーションを容易にする機能が強化されている』点です。組織は、クラウド、デジタル・エクスペリエンス・プラットフォーム、動画配信、人工知能(AI)、インサイト・エンジン、新たなデータ分析方法などの先進のテクノロジを活用して、デジタル・ワークプレースを構築します」。

 「その際に組織は、協働性、俊敏性、流動性、分析性、革新性、創造性の高い働き方への移行を通じて、従業員のデジタル・デクステリティ (デジタルを高度に活用する能力および意欲) を推進しなければなりません。ところが、多くの従業員は、新たなスキルと規範に関する助言やサポートを得られていないため、デジタル・ワークプレース・イニシアティブへの関与や意欲を欠いています。こうした状態にある従業員と組織が極めて重要なデジタル・ジャーニーに踏み出しても、行き詰まりや後れが生じる危険があります」。

 なお、ガートナーは、11月12~14日に「Gartner IT Symposium/Xpo 2019」をグランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール(港区高輪)において開催する。デジタル・ワークプレースに関連した最新動向や関連する内容は前出のマンをはじめとした国内外のエキスパートが講演を予定している。

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著者プロフィール

  • EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)

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