SaaSのビジネスモデルで統合モニタリングツールを提供するベンダーとして、日本でも導入企業が増えているDatadog。2019年9月にはNASDAQ上場を果たし、期待の成長株でもある。2020年1月に日本のカントリーマネージャーに就任した国本明善氏にその製品戦略を訊いた。
全製品が統合プラットフォームの上で稼働

2010年創業のDatadogは、Wireless Generationの技術部門の同僚として働いていたオリヴィエ・ポメル氏(現Datadog CEO & Co-Founder)とアレクシス・ルクオック氏(現Datadog CTO & Co-Founder)の2人が、開発と運用の壁を取り払うことを目的に設立した会社である。2021年3月現在、グローバルで約14,000社の顧客、約2,200人の従業員を抱える。提供している製品は全てをSaaSで提供しており、導入した企業はその日からシステム環境の監視を行うダッシュボードを運用できる。その利用料金はデータ量に応じてではなく、ホスト単位で決まるのだという。
現在のDatadogの製品ラインアップは多岐にわたるが、全ての製品がリアルタイム統合データプラットフォームで稼働する設計である(図1)。2012年に最初の製品として「インフラストラクチャモニタリング」をリリースして以来、2017年には「APM(Application Performance Monitoring)」製品を投入。以降もログ監視、UX監視と次々に製品が加わり、現在はネットワークパフォーマンスやセキュリティモニタリングの製品も提供している。共通プラットフォームで稼働する設計であるため、「リアルタイムに相関性のあるダッシュボードを利用できる」と国本氏は語る。

最近のDatadogはキーテクノロジーの買収にも意欲的だ。2021年2月にはAPM製品を強化するためにアプリケーションセキュリティのテクノロジーを提供するScreen、ログ監視の製品を強化するためにTimber Technologyの買収を発表している。
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冨永 裕子(トミナガ ユウコ)
IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタン...
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