NTTデータは6月6日、液浸冷却方式を採用したデータセンター冷却システム(以下:液浸冷却システム)を構築したと発表した。
2022年3月~4月にかけて液浸冷却システムの実機検証を実施したところ、データセンターの冷却に使用するエネルギーを従来型と比較して最大97%削減できたという。
また同時に、サーバ機器・NW類の安定稼働を確認したほか、メンテナンスを含めた、機器運用に関する実用面の課題抽出を完了したとしている。
液浸冷却方式とは、サーバーなどのICT機器を特殊な液体の中で直接冷却する方式であり、従来の空気での冷却と比べエネルギー効率の高い次世代の方式として注目されているものだ。
具体的には、IT機器を絶縁性のある液体(フッ素系不活性液体やシリコンオイルなど)に浸すことで、効率的な冷却を図る。
本検証では、最も冷却効果が高いと言われる、液体の沸騰による気化熱を冷却に活用する「二相式」を採用。これにより、高発熱サーバーを密に配置できるため、空気を用いる従来の方式と比較して省スペース化が可能となることや、一定の温度かつ密閉された環境で運用できることで故障率が低下すると言われている。
今後は液浸冷却システムの積極的な活用に向けて、自社データセンター内において液浸専用マシン室の構築を目標とするほか、2023年度中に社内システムへの導入を通して早期のサービスモデル実現を図っていくとのことだ。
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