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実践!ロジカルコミュニケーション入門

ニワトリからタカになれ!論理思考は『検証」と『根拠』が武器(前編)

第2回


 考えをまとめるときは、近視眼的になるのではなく、意識を切り替え、俯瞰する必要があります。そして考慮漏れがないよう、検証を繰り返します。(後編はこちら)

前回のおさらい

 「論理思考」「ロジカル・コミュニケーション」というと、「筋道だてて話す」とか「理路整然と話す」といった、話の展開に注目しがちです。が、どんなに手順よく話しても、そもそもピントがずれていたり、考慮に漏れがあると、聞き手は納得できません。まずは、話の中身について、しっかりと吟味することが欠かせません。事前に『検証』を繰り返します。

 前回の連載では、論理思考(Critical Reasoning)は、2本柱の『検証』と『根拠』が重要であることを述べました。今回は、『検証』をテーマにして、

  • 偏りや、考慮漏れがないかを検証するポイント
  • 図解ツールを使って検証する方法

 を説明します。

「ニワトリ頭」から「タカ頭」へ

 たとえば、上司から、ある仕様変更の作業を2週間ぐらいでやってくれと頼まれたとします。Aさんは、次のように作業項目を洗い出してみました。

  • まずは、担当者から引継ぎを受けて内容を理解する
  • 現状のコードを調べて、変更部分を特定する
  • 修正作業の負荷を考えて、それぞれどれくらい時間がかかりそうか、見積もる
  • テストに要する時間も考慮する

 Aさんは、作業にとりかかる前に、おおよその時間配分を考えてから着手しようとしています。これは、とても良いことなのですが、作業項目を洗い出す際に、「心の準備」なく、思いつくままに洗い出すと、どうしても目先のことにとらわれがちです。

 経験のあるエンジニアであれば、無意識のうちに、次のようなことも考慮しているはずです。

  • その変更によって、影響の及ぶ範囲はどれくらいだろう?
  • 修正作業が終わったら、単体テストまでやればよいのか? 結合テストまでか? 移行までか? 影響の範囲はどれくらいか? どこまでやるのか?

 これらは、全体像を把握することを意味しています。全体観がわからないと、時間、マンパワー、予算など限られた資源を適切に配分することができません。ひいては正確なスケジュールができなくなります。

次のページ
意識を切り替え全体を俯瞰しよう

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この記事の著者

上村 有子(ウエムラ ユウコ)

NRIラーニングネットーワーク株式会社に勤務。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://enterprisezine.jp/article/detail/176 2007/10/24 12:33

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