デル・テクノロジーズは、ストレージポートフォリオ全体にわたり、サイバーレジリエンスの強化、エネルギー効率の向上、自動化の推進を発表した。同社は、「PowerStore」ソフトウェアのセキュリティ機能強化によって、サイバー攻撃に対する保護、防御、回復能力を高めるゼロトラスト戦略を促進するという。
今回強化したソフトウェアセキュリティの主な機能は、以下のとおり。
- STIGへの準拠:STIGは、米連邦政府および米国防総省が規定する構成標準を満たすガイドライン。STIGへの対応により、米国の連邦ネットワークおよび世界中の政府機関で必須となっているNIST(米国立標準技術研究所)CSF(サイバーセキュリティフレームワーク)標準に対するPowerStoreの準拠性が高まるとのこと。STIGモードは政府機関以外での使用はできないが、基礎となるセキュリティ技術の多くは一般企業でも使用可能
- セキュアスナップショットによる安全性と不変性:有効期限前のスナップショットの不正な削除や変更を防御
- ファイルに対する権限設定の効率化:ストレージ管理者は、PowerStoreからアクセスを直接管理できるようになり、セキュリティ脅威に対応可能
- ファイルレジリエンス(回復性)の強化:システムあたり最大4倍のスナップショットにより、保護ポイントをユーザーに提供。必要に応じてデータを回復することが可能
- MFA(多要素認証):ユーザー識別情報の検証を強化し、PowerStoreへの管理アクセスを安全に保つ
また、新たな自動化およびマルチクラウドの先進機能によって、運用コストとエネルギーコストを削減できるという。今回強化した自動化およびマルチクラウドの主な機能は、以下のとおり。
- 「Dell PowerProtect」とのネイティブ統合:PowerStoreが、データ保護ソリューションに統合されたことで、マルチクラウドへのデータ保護が可能。バックアップは、直接PowerStoreのユーザーインターフェースから設定でき、バックアップデータ削減、「DD Boost」テクノロジー、その他の機能も利用できるとのこと。また、オンプレミスの容量が軽減され、電力と冷却のコストを削減可能
- DevOpsワークフローの強化:AnsibleおよびTerraformとの統合、また「Dell Container Storage Module」のアプリケーションモビリティー機能によって、ストレージを自動化。PowerStoreは、DevOps担当者に使いやすいストレージ自動化ツールだけでなく、ローレベルコーディングやヘルプデスクのサポートを必要とせずに、ストレージの自動化プロセスを提供
なお、同社は、PowerStoreだけでなく、ストレージポートフォリオ全体にわたって、新たなソフトウェアイノベーションを提供すると発表。「Dell PowerStore」および「Dell ObjectScale」の新機能は2023年6月より、「Dell PowerFlex」の新機能は2023年第3四半期(8~10月)より、全世界で提供開始予定だとしている。
- Dell PowerMax:運用環境のエアギャップによって、サイバーセキュリティを強化。サイバー攻撃を受けた場合も、本番データを復元可能
- Dell PowerFlex:強化されたNVMe/TCPとセキュリティを提供
- Dell ObjectScale:エンタープライズS3オブジェクトストレージにおける高速なパフォーマンスを実現
- Dell CloudIQ:AI/ML主導型のパフォーマンスと容量分析、VMware統合を支援。ITとDevOpsの簡素化を加速
- Dell Unity XT:Ansibleサポートを拡張することで、ストレージの自動化を推進し、コスト削減、エラー低減、生産性向上をサポート
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