DigiCert(デジサート)は米国時間11月8日、2024年におけるデジタルトラストの主要トレンドに関するCEO戦略予測を発表した。予測の内容は以下の通り。
予測1:経営幹部は耐量子コンピューター暗号に関する知識を深め、企業は投資を加速させる
Ponemon Instituteが行った耐量子コンピューター暗号に関する調査では、ITリーダーの多くがHNDL(harvest now, decrypt later)型サイバー攻撃のリスクを懸念している一方で、経営幹部は量子コンピューターがもたらす影響をまだ認識していないことがわかったという。また、多くの組織が耐量子コンピューター暗号準備のための責任の所在、予算、戦略を明確にしていないことも指摘している。同社は、2024年には、教育と計画活動により、この分野への投資が加速するとみている。
予測2:IDと認証は、コンテンツのトラストの基礎となる
米国の選挙シーズンは、この問題がスポットライトを浴びると予測されている。認証されたIDは、コンテンツの出自や真正性を信用するための基盤になると指摘。DigiCertは、企業がデジタルIDを一度確立することにより、それを適用するたびに追加の証明チェックを必要としない方法を模索し始めるとしている。
予測3:ソフトウェアサプライチェーンでは、トラストがその構成要素として組み込まれることになる
署名する前に検査し、パッケージをチェックし、ソフトウェア部品表(SBOM)による透明性を提供することが重要になるとしている。DigiCertは、ソフトウェアサプライチェーンは強固になり、様々なデリバリーポイントで検査が行われるようになるだろうと指摘する。SBOMの採用が進むことで組込みソフトウェアの構成は、より透明性が高まるという。
予測4:IoTトラストは、EV充電器や医療機器の実用化の広まりにより実現する
デバイスは今後、真正性を確認するための身元確認と操作チェックで保護されるようになると予測。これにより、人々はデバイスが改ざんされにくい状態でデバイスを利用できるようになるとしている。
予測5:チーフ・デジタル・トラスト・オフィサーが、経営陣の重要な一員となる
チーフ・デジタル・トラスト・オフィサーは、デジタルトラストへの投資と戦略をビジネス成果に結びつけるため、経営陣の席に就くことが増えていくとしている。
予測6:アーキテクチャとしてのゼロトラストが普及。その基盤はデジタルトラストにある
ゼロトラストのアーキテクチャは、情報技術、製品セキュリティ、消費者エコシステムに浸透し、ネットワークやVPNに取って代わるとしている。アプリケーションとデータの相互通信にID、完全性、および暗号化を提供するために、 証明書を介する認証の利用は今後も増え続けると予測している。
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