Sansanは、原価高騰の影響を受けたBtoB企業で原価管理・販売価格の見直しを担当する1,058名のビジネスパーソンを対象に「BtoB企業における原価高騰の影響調査」を実施し、その結果を発表した。
6割以上が原価高騰にともない取引先との契約を「見直した・見直しを検討した」と回答
原価高騰にともなう契約の見直しについて、52.6%が「見直した」と回答し、11.4%が「検討したが実現しなかった」と回答。「検討したが実現しなかった」「見直していない」と回答した人でも、63.3%が今後契約を見直したい意向があることがわかった。BtoB企業において原価高騰に対応するために、多くの場合で契約見直し業務が発生する実態が明らかになったという。
契約の見直しにおける課題は、「契約交渉」「契約状況の正確な把握の難しさ」が上位に。契約見直しまで最大1年かかった事例も
契約を見直した・見直しを検討した人にどのような課題があったか聞いたところ「契約内容に関する交渉が難しかった」が39.2%で最も多く、次いで「契約状況を正確に把握するのが難しかった」が26.8%だった。また、契約を見直すためにかかった日数を聞いたところ、平均2ヵ月以上、最大で1年となった。
販売価格の値上げを実施したのは6割。うち8割は高騰分の金額を販売価格に反映できていない
2023年の原価高騰にともない販売価格の値上げを行ったかを聞いたところ、62.2%が「行った」と回答した。
値上げを実施した人に対して、原価高騰分の何割程度を値上げに反映できたか聞いたところ84.6%が「100%の価格転嫁はできなかった」と回答。2023年の原価高騰分が依然として企業の負担となっていることが明らかになったという。
7割以上が2024年問題で自社の原価が上昇すると回答し、「契約の2024年問題」の存在が明らかに
2024年問題に関する自社の原価への影響については、人件費・原材料費・エネルギー費・輸送費すべての項目で7割以上が自社の原価が上昇すると回答した。2024年も引き続き原価高騰にともなう負担が発生し、多くのBtoB企業において契約の見直し業務が課題となる「契約の2024年問題」の存在が明らかになったとしている。
Sansan Contract One Unit ゼネラルマネジャー 西村仁氏のコメント
今回の調査では、BtoB企業において原価高騰が発生すると販売価格の見直しだけでなく、取引企業との契約見直し業務が発生するケースが多いことが明らかになりました。さらに国内では、「2024年問題」として物流費を筆頭にさらなる原価の上昇が想定されています。一方で賃上げや、値上げによる収益の適正化は経済全体にとってポジティブな側面もあります。BtoB企業においては、原価高騰に対応するため自社の取引状況を迅速かつ正確に把握し、必要に応じてすぐに契約の見直しが実現できるよう体制を整えることが求められています。
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