経済産業省と総務省は4月19日、生成AIの普及を始めとする近年の技術の急激な変化等に対応すべく、有識者等と議論を重ね、関連する既存のガイドラインを統合・アップデートし、「AI事業者ガイドライン(第1.0版)」を取りまとめ、公開した。なお、既存のガイドラインとは、「AI開発ガイドライン」(平成29年、総務省)、「AI利活用ガイドライン」(令和元年、総務省)、「AI原則実践のためのガバナンスガイドラインVer1.1」(令和4年、経済産業省)のこと。
東京大学大学院工学研究科教授の松尾豊氏が座長を務めるAI戦略会議で取りまとめられた「AIに関する暫定的な論点整理」(令和5年5月26日)において、近年の生成AIの普及を踏まえ、既存のガイドラインに関して必要な改訂などを検討する必要性が指摘されていた。それを受けて経済産業省および総務省は、既存のガイドラインを統合・アップデートし、広範なAI事業者向けの統一的で分かりやすいガイドラインの検討を開始。
両省において、それぞれ「AI事業者ガイドライン検討会」(座長:渡部俊也 東京大学未来ビジョン研究センター教授)と「AIネットワーク社会推進会議」(議長:須藤修 中央大学国際情報学部教授)を開催した。両会議での検討を踏まえて「AI事業者ガイドライン案」を取りまとめ、令和6年1月20日から同年2月19日までの間、意見募集を実施。
その後、意見募集の窓口に寄せられた意見と、令和6年3月14日に合同で開催した「AI事業者ガイドライン検討会」と「AIネットワーク社会推進会議」における議論を踏まえた第1.0版(案)を、4月19日のAI戦略会議にて報告し、「AI事業者ガイドライン(第1.0版)」を取りまとめたという。
今後は必要な更新を継続して行っていく予定だとしている。
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