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三菱HCキャピタルでDX人材が育つワケ──社員のDXへの“チョ”レンジを促すユニークな独自施策を訊く

社員のモチベーションにどう火をつけるか、部門間横断をどうやって実現するか


 全社を挙げてDX推進に取り組む、リース業界大手の三菱HCキャピタル株式会社。2023年5月には、経済産業省が定める「DX認定事業者」に認定されるなど、徐々にその活動が実を結びつつある。成果の要因はいったい何か。同社のDXが目指す先や現在の活動内容、特にそのユニークな取り組みで注目を集めるDX人材育成の施策などについて、経営企画本部 デジタル戦略企画部長 富士本州勇氏に話を伺った。

「データ×デジタル」で新たなビジネスモデルを目指す

──はじめに、三菱HCキャピタルが中期経営計画の柱の1つに据えている「DX」の背景や目的について教えてください。

富士本州勇氏(以下、敬称略):やはり事業環境の変化が背景としてあります。弊社の主力事業であるリースは、お客様が設備導入など、モノをご利用する際にファイナンスを付けるというビジネスモデルです。しかし、今後の日本においてモノの拡大を前提とした経済成長は、現実的に考えて期待できません。また、2008年4月以後に開始する事業年度から適用されたリース会計基準[1]によって、業界全体でのリースの取扱高が減少し、その後ほぼ横ばいになっていることもあり、これまでのようにリース事業だけに依存したままでは企業価値を維持できないのは明白です。

 しかし、私たちにはこれまで築き上げてきたお客様との接点があり、営業力があり、そしてそれらに関する豊富なデータがあります。一方、デジタル技術は昨今、人々にとって極めて身近なものとなりました。そこで、弊社が持つデータと最新のデジタル技術を掛け合わせれば、これまでとは違ったお客様との向き合い方ができるのではと考え、DXに本格的に取り組むこととなりました。

──DXによって、どのようなイノベーションの実現を目指しているのでしょうか。

富士本:弊社では、DXビジョンとして「DXで、社員の“幸せ”と“成長”を実現し、アセットの潜在力を最大限に引き出し、お客様に“感動”と“喜び”を提供いたします」と掲げています。もちろん、お客様にしっかり価値を提供することが何よりも大切ですが、これを実現する上で重要な鍵を握るのが、我々が数多く保有しているアセットを有効活用することです。これには、必ずしもリースのビジネスモデルを通じて得たアセットだけでなく、人的資本のような無形資産も含まれています。

 そして、最終的にこれらを実践するのは弊社の社員一人ひとりです。ですから、DXに取り組むことで社員が自身の成長や働きがい、ライフの充実などを感じられるようなDXにしたいと考えています。

[1]【参考】「リース会計基準の概要」(公益社団法人リース事業協会)

各事業部門に「DX戦略推進予算」を用意、DX推進組織やIT部門との役割分担は?

──どのような組織体制でDX推進に臨まれているのでしょうか。

富士本:社長をトップとした「DX推進協議会」という組織が最上位にあり、年3回の頻度で社長や関係役員が集まって、自社のDX課題についてざっくばらんにディスカッションする場を設けています。また、経営企画本部の配下に全社横断でDXを推進する組織「デジタル戦略企画部」を設けており、私がその部長を務めています。デジタル戦略企画部は、戦略や企画作りを担当する「DX戦略企画グループ」、デジタル化の具体的な取り組みをリードする「デジタル推進グループ」、データ活用を推進する「データマネジメントグループ」の3つのグループで構成されています。

 加えて、全国に約70ある部店のすべてで「DX推進リーダー」を任命しており、毎月デジタル戦略企画部とのコミュニケーションをとることで、現場の意見を吸い上げています。

──デジタル戦略企画部とIT部門の役割分担はどのようになっているのでしょうか。

富士本:現場から新たなアイデアが出てくると、プロトタイプ開発やPoCの段階まではデジタル戦略企画部が支援します。一方、本番業務への適用まで進んだ案件や、既存システムに手を加えるようなケースでは、IT部門がプロジェクトを支援するようにしています。

──各事業部門との連携はどうでしょう。多くの企業では、事業部門とIT部門の間の意思疎通が上手くいかない結果、たとえば「使えないプロダクト」が生まれてしまうようなケースが見られます。

富士本:そうした課題を打破するために、弊社では各事業部門が独自の裁量で使える「DX戦略推進予算」を一定額用意しています。これを使うことで、事業部門はIT部門を通さずに独自の判断でPoCを実施できるのです。

 PoCを実施する際は、デジタル戦略企画部内のデジタル推進グループが支援に入ります。ただ、ゆくゆくはこうした開発機能は事業部門に移管すべきだと考えています。さらに、デジタルに関する戦略や企画の立案・推進機能は、本来は経営企画部門が担うべきで、現在のデジタル戦略企画部はあくまでも一時的な組織であると個人的には捉えています。

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社員の「DXモチベーション」を喚起する様々な仕掛け

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この記事の著者

吉村 哲樹(ヨシムラ テツキ)

早稲田大学政治経済学部卒業後、メーカー系システムインテグレーターにてソフトウェア開発に従事。その後、外資系ソフトウェアベンダーでコンサルタント、IT系Webメディアで編集者を務めた後、現在はフリーライターとして活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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