米国SAS Institute(以下、SAS)は、同社が提供する新しいツールにより公衆衛生研究者が、国立衛生研究所(以下、NIH)が提供するAll of Us Research Programのデータセットが分析可能になったと発表した。
NIHは、クラウドベースのプラットフォームであるAll of Us Researcher WorkbenchにSAS Analytics Pro on SAS Viyaを追加。これにより、登録済みの研究者たちはAll of Us参加コホートが提供するデータを用いて研究を進められるとしている。
今後、研究者たちはSASの専門知識を活用し、米国の生物医学の研究分野で歴史的に軽視されてきたコミュニティを含め、40万人以上のAll of Us参加者が提供する多様性を反映したデータを分析できるようになると、SASは述べている。
All of Usは、特定の疾患や集団に焦点を当てた研究とは異なり、健康に関する様々な疑問を解決するためのリソースを構築する研究プログラムだという。All of Us Researcher Workbenchによって、700を超える組織から9,500人以上の研究者がSAS Studioインターフェイスを通じてSAS Analytics Pro on SAS Viyaにアクセスし、包括的かつ統合された生物学、環境、行動に関するデータセットを分析できるようになるとしている。
研究者たちはアクセス登録前に、対話型データブラウザにて電子カルテ、ゲノム配列決定、アンケート調査、身体測定を含む、All of Usが収集するデータの種類と件数について情報を得ることが可能。Researcher Workbench内では、登録済みの研究者がSASをはじめRやPython を使ってデータを分析し、研究を行うことが可能だという。Researcher Workbench User Support Hubからは、包括的なサポートと教育資材が提供されるという。
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