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最も懸念される地政学リスク、3年連続で「サイバーアタック/サイバーテロ」に トランプ氏再選の影響は?

 PwC Japanグループは、地政学リスク・経済安全保障環境に対する日本企業の意識、対応実態を把握するため、「企業の地政学リスク対応実態調査2024」を実施した。

 同調査は2019年にスタートし、今回で5回目となる。米中両国間の緊張は長期化し、中東情勢やウクライナ紛争も収束の兆しが見えない中、日本企業が地政学リスクをどのように分析・把握し、対応しようとしているのか、調査を通じて課題と解決のヒントを探るとしている。

最も懸念される地政学リスク、3年連続で「サイバーアタック/サイバーテロ」

 最も懸念する地政学リスクでは、「ロシア・中国・北朝鮮などによるサイバーアタック/サイバーテロ」が40%を占め、3年連続で首位に。「エネルギー供給構造の変化に伴う需給の不安定性」は20%で2位、その他「保護主義的政策(米国の鉄鋼アルミ関税、EUの中国EV調査、資源国による資源輸出制限など)」(19%)が前年比で大きく順位を上げて3位になったとしている。地政学的分断への備えや国内産業保護、有権者の支持獲得を目的に、米中などの大国や資源国において保護主義的な政策がとられることへの懸念を示す結果となった(図表1)。

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8割超の企業が、地政学リスクマネジメントが経営戦略上「重要」と認識

 自社の経営戦略において、地政学リスクマネジメントが「とても重要」または「やや重要」と答えた企業の割合は86%(前年比で-1ポイント)であった。地政学リスクは企業経営に強い影響を与える重要な経営課題だ、との認識が依然として高いことを示唆しているという(図表2)。

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7割の企業が地政学リスクの情報収集やモニタリング体制を確保

 地政学リスクの情報収集やモニタリング体制をとっているか、との問いでは「対応をとっていない」との回答は32%にとどまり、7割の企業が高まる地政学リスクを踏まえ体制確保を行っていることがわかったという(図表3)。また、地政学リスク対応を進めるため、「海外拠点・子会社における情報収集と本社への共有」(26%)、「専門人材の採用強化」(20%)、「専門人材の社内育成」(19%)、「学術研究者やコンサルタントによる支援」(18%)、「法律専門家による支援」(16%)など、多くの企業が具体的な取り組みを行っている実態が判明したとしている(図表4)。

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米国大統領選でトランプ氏が再選した場合の最大懸念は「米中対立の激化」、次いで「日米関係の悪化」

 2024年11月の米国大統領選挙でトランプ氏が再選した場合、「米中対立の激化(関税引き上げ、半導体輸出規制など)」(43%)、「日米関係の悪化(貿易摩擦、日本の防衛費増額要求など)」(26%)、「欧州安全保障の不安定化(ウクライナ支援停止、NATO弱体化など)」(19%)、「中東情勢の悪化(イスラエル・ハマス紛争、米国・イラン対立など)」(17%)などを懸念する企業が多いことがわかったという(図表5)。

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4割が中国経済減速の影響を受け、3割が中国国外へ生産や調達プロセスの移管を検討。移管先に日本を選ぶ企業が最多

 自社に影響を与えている中国関連の地政学リスクを尋ねたところ、「全般的な中国経済の減速」(43%)、「中国国内の治安維持強化(反スパイ法など)」(23%)、「米国による経済制裁(エンティティリストなど)による中国企業との取引見直し・中止の必要性」(22%)、「中国からの輸出品にかかる関税コスト増」(19%)、「中国への輸入に際しての関税コスト増」(19%)が上位に入った(図表6)。

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 こうした中国関連のリスクを背景に、3割の企業が生産や調達プロセスの中国国外への移管を検討し、移管先として「日本(44%)」、「ベトナム(29%)」、「タイ(19%)」が選ばれているという(図表7、図表8)。地政学リスクの高まりや円安の長期トレンド化を受けて、日本国内への回帰やASEAN諸国へのサプライチェーンの多角化を検討する企業が多いことがわかったとしている。

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 同調査ではこの他、台湾有事や日本の経済安全保障法制などへの対応状況に関するヒアリングなども実施。今秋には、これらの結果を踏まえたより詳細なレポートを発刊する予定だという。

企業の地政学リスク対応実態調査2024

 海外で事業を展開する、売上規模年商100億円以上の企業に勤務する管理職400名を対象に、2024年7月にオンラインで調査を実施。調査対象とした企業は製造業、サービス業など産業全般をカバー。同様の調査は2019年3月、2021年8月、2022年8月、2023年8月に実施しており、今回が5回目。

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