NTTデータ社長が語る、テラスカイとの資本業務提携
「クラウドが作る新時代」をテーマに掲げたキーノート講演に、テラスカイ 代表取締役CEO 社長執行役員 佐藤秀哉氏が登壇すると、「我々の歴史は、クラウドの歴史とも言えるかもしれない」と話を切り出した。テラスカイグループは、SalesforceやAWS(Amazon Web Services)、Google Cloud、Microsoft Azure、SAPなど、大手クラウドベンダーのパートナー企業として大きな位置を占めているとして、最上位資格を取得しているエンジニアも多数擁していると強調。現時点では、Salesforce認定資格者数は国内1位だと語る。
2006年にSalesforce専業のインテグレーターとして創業した同社は、グループ会社の設立、タイと米国を足掛かりとした海外展開、MA(Marketing Automation)領域への投資、VCの立ち上げなど、多角的な事業成長を遂げてきた。そして、2024年4月12日にNTTデータとの資本業務提携を発表している。
佐藤氏は「無借金経営を続けている中、より多くの日本企業にクラウドを提供していきたい。そのために出資をいただいた」と述べて、NTTデータ 代表取締役社長 佐々木裕氏に水を向けた。
佐々木氏は「テラスカイと取り組みたいことは、顧客接点の変革だ」と述べ、NTTデータとして“戦い方”を変えていると話す。いかにユーザーの成果を上げることができるのか、コンサルティング部隊による提言で終わるのではなく、世界最高水準でのシステム構築による実装、その上で各アセットへの投資を行っていきたいとする。その舵取りにおいて、金融や交通などの特定業界における共同サービスの企画、tsuzumiなどの生成AIを活用した新サービス、Salesforce人材の獲得などをテラスカイとの提携によって狙うという。
まずは、地域金融機関向けにSalesforceを中核に据えたCXソリューションを展開していくとのことだ。「これまでテラスカイやBeeX、サーバーワークスとビジネス接点はあったが、資本業務提携は親戚になるようなものだ。テラスカイグループのエンジニアリング力の幅広さを感じており、このコラボレーションをいかに果実にしていくべきかだ」と佐々木氏は述べた。