NTTデータとオラクル・コーポレーション(以下、オラクル)は、日本の企業および団体へのソブリン要件に対応するクラウド・サービスの強化における協業を発表した。
NTTデータは、「Oracle Alloy」を自社のデータセンター内に導入し、高セキュア・高SLA対応のクラウド・サービス「OpenCanvas」を拡張し、データ主権要件への対応を強化。Oracle Alloyの導入により、NTTデータの運用管理のもと日本国内にデータを保持しながら、生成AI機能を含む150以上 の「Oracle Cloud Infrastructure」(以下、OCI)サービスを順次提供する計画だという。また、Oracle Alloyの導入によりOpenCanvasを拡張した新サービスを、分散化した2つのデータセンターで提供することを計画。2025年12月末から東日本リージョンで、2027年3月末までに西日本リージョンでの提供開始を予定しているという。NTTデータは、OpenCanvasにおいて、2030年までに1000億円の売り上げを目指し、さらに日本国内展開後はグローバルビジネスの拡大も視野に入れているとのことだ。
オラクルは、2024年4月に、日本におけるクラウドとAIインフラストラクチャの需要拡大に対応するため、今後10年間で80億ドル以上の投資を計画していると発表。この計画のもと、Oracle Alloyなどの国内運用チームを強化しており、今回の協業においてもNTTデータのOracle Alloy導入、運用を国内で支援していくとしている。
NTTデータは、データセンター戦略として、AI活用支援に向けたデータセンター設備の増強と、ソブリンニーズに対応するサービス強化を実施。ソブリンニーズに対応するサービス強化の一環として、今回、Oracle Alloyの導入によるOpenCanvasの機能強化を実施するという。これにより顧客は、データ主権が担保されたOpenCanvasの環境で、新規のサービスを迅速に構築し、自社でカスタマイズした独自サービスとともに、OCIの最新のIaaS、PaaSサービスを利用可能になるとのことだ。これまでパブリック・クラウドへの移行が進まなかった機密性の高いデータやシステムの移行を促進し、金融・通信・公共・公益など様々な業界に向けてサービス提供していくという。
今後、NTTグループによるIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想や、NTT版大規模言語モデル(LLM)であるtsuzumiなど、NTTグループの革新的な技術を利用し、クラウド・AI活用を含む日本の顧客の多様なニーズに対してさらなるサービス強化の実施を検討していくとのことだ。
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