2024年11月18日、三井物産は、Quantinuum、日本電気(以下、NEC)と共同で行った、量子技術を利用したトークン(以下、量子トークン)の実証実験に成功したと発表した。
三井物産とQuantinuumは従来より、Quantinuumが基本特許を有する、量子物理学の特性を活用した複製不可能な量子トークンの実用化に取り組んできたという。今回、NECが提供する量子暗号通信用の装置と10kmの光ファイバーを利用し、商用化を想定した環境の上で量子トークンの発行と償還を行う世界初の実証実験を実施。理論上予測されていた通りにトークンの発行と償還が可能だと確認できたとのことだ。
量子トークンは従来の通信技術を利用したトークンと比べ、複製が不可能で即時に償還が可能という特徴があり、高速取引やコモディティトレーティングなどの金融分野を中心に、データ復旧や認証など様々な用途への展開が可能。また、今回の実証実験に利用した量子暗号通信は、量子コンピュータによる解読が不可能な通信方式として、今後インフラの整備が期待されているという。三井物産は同成果を通じて、金融やヘルスケアなど、高いセキュリティが求められる分野を中心に具体的な用途を開拓し、5年以内を目途に事業化を推進するとしている。
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