日本オラクルは、サイバーエージェントの100%子会社であるAI Shiftが、企業専用AIエージェント構築プラットフォーム「AI Worker」に、「Oracle Autonomous Database」を採用し、新たなソリューションとして提供開始したと発表した。

Oracle Autonomous Databaseと連携したAI Workerは、企業の業務ニーズに応じて柔軟にAIエージェントを構築できる点が特徴。企業独自のデータを活用し、業務プロセスに適したAIエージェントを設計・運用することを支援するという。さらに、検索精度やAIの回答生成を業務に合わせて最適化することで、より高精度なデータ活用を実現。また、段階的な機能拡張が容易であり、継続的な精度向上にも対応しているとのことだ。
構築例として、営業業務向けのAIエージェントでは、製品情報や顧客プロフィールを活用して商談提案を最適化し、営業担当者の意思決定を迅速化するという。マーケティング業務向けのAIエージェントでは、WebやSNSなど多様なチャネルからデータを収集・分析し、施策立案からフィードバックまでを支援。コールセンター業務向けのAIエージェントでは、オペレーターの対応品質向上と保留時間短縮を実現し、管理者の育成・分析業務を効率化するなど、ニーズに合わせ多種多様なAIエージェントの構築が可能だとしている。いずれも企業固有のデータを安全に活用し、従業員が本質的な業務に集中できる環境を創出することで、顧客価値の最大化と業務効率の向上を同時に実現するという。
AI Workerは、Oracle Autonomous Databaseが備える「Autonomous Database Select AI」を利用することで、自然言語によるデータ検索・分析を可能にし、SQLの知識がなくてもビジネス・ユーザーが簡単に活用できるとしている。これにより、業務効率が向上し、迅速な意思決定を支援するという。また、セキュリティ機能により、機密データを安全にAI処理でき、企業のセキュリティポリシーにも準拠。さらに、AIによる自律運用機能がデータベースのチューニングやパフォーマンス最適化を自動化し、運用負荷の軽減とコスト削減を実現するとしている。
日本オラクルとAI Shiftは、AI Workerのツールおよび運用ノウハウを活用し、企業の生成AI導入を支援する活動を共同で推進するという。また、ユーザーのニーズに応じた継続的な改善を行い、AIエージェントの自律機能拡充やデータベース検索ロジックの最適化を進めることで、より高精度なAIの活用を可能にするとのことだ。さらに、「AI Vector Search」を備えた「Oracle Database 23ai」の生成AI分野での最大限の活用を目指し、両社は技術情報の共有を強化しながら、企業のデータ活用を加速させるための取り組みを進めていくと述べている。
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