性能が高く、柔軟性があることが「コスト削減」にも貢献する
大人気のゲームの立ち上がりは、極めてスムーズだった。ゲームリリース直後の週末には膨大なアクセスこそあったものの、戎脇氏は「何もトラブルは発生しませんでした」と振り返る。以降、ユーザー数の推移に合わせ調整を行い、当初9台ほどだったTiDB/TiKVの台数は、共に3台まで削減しても十分な性能を発揮しているという。これはコスト削減にも大きくつながっているとして、「柔軟性があり、TiDBの性能そのものが良いことが、コストを最適化できている要因だと思います」と筑紫氏も語る。
当初想定していたデータベースの数や規模からすると、現状はかなり低コストに抑えられているという。特にゲームのようにユーザー数や負荷が変動しやすいシステムに対し、TiDBは非常に相性が良く、期待以上の費用対効果を発揮していると評価する。また、「アップデートでカラムを追加する際、ユーザー数が多いためレコード数も相当数あったのですが、コンマ何秒という速さで完了できました」と、TiDBの利点を挙げた。
今回、TiDBが大きく貢献したこともあり、それだけに2人が寄せる期待も大きい。「オートスケールモードがあるとうれしい」と要望するのは戎脇氏。現在はTiDB Cloud Dedicatedを利用しているが、オートスケール機能がないためだ。急なユーザーの増減に対応するための運用コストをさらに下げるためにも、TiDB Cloud Serverlessにあるオートスケール機能が利用できると便利になるという。
最後にあらためて筑紫氏は、負荷の変動が発生することが当たり前のオンラインゲームにおいて、ダウンタイムなしに拡張・縮退ができるTiDBは、「ゲーム業界とはかなり相性が良いデータベースだと思います」と強調する。時間帯による増減はもちろん、機能アップデートのタイミングでもアクセス状況が大きく変化する。だからこそ、TiDBの高い柔軟性が大きな強みになると語るのだった。

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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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