SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Security Online Day 2026 Spring

2026年3月 オンライン開催予定

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2025年夏号(EnterpriseZine Press 2025 Summer)特集「“老舗”の中小企業がDX推進できたワケ──有識者・実践者から学ぶトップリーダーの覚悟」

冨永裕子の「エンタープライズIT」アナリシス

SAPの構造化データ専用モデル「SAP-RPT-1」登場 LLMが解けないビジネス課題を解決できるか

SAP Buildで「バイブコーディング」も可能に

 SAPは、2025年11月4日から6日にかけて開発者向けの年次イベント「SAP TechEd 2025」を開催した。この記事では基調講演の数多くの発表の中から、4つのハイライトを紹介する。

「SAP Business Data Cloud」がSnowflakeにも対応

 2025年2月に発表したSAP Business Data Cloud(以降、BDC)。これは、企業独自のビジネスデータファブリックを構築し、データの検出、共有、ガバナンス、モデリングを容易にするものだ。BDCは、次世代アプリケーションの構築、そして“信頼性の高い”AIの導入を支える基盤でもある。BDCを利用することで、信頼できるデータ基盤と統合されたセマンティックレイヤーを構築し、より多くのAIプロジェクトから成果を上げることを目指す。

 このBDCの主要コンポーネントの一つが、AIを実装した「インテリジェントアプリケーション」である。これによりビジネスユーザーでも、意思決定のための“アクショナブルインサイト”(実行可能な洞察)を容易に得られるようになった。そして、このアクショナブルインサイトを支えているのがデータプロダクトだ。これもBDCの主要コンポーネントの一つであり、ファイナンスや調達、サプライチェーン、人事、顧客体験といった業務領域を横断するような利用用途を想定した、数百ものデータプロダクトが用意されている。SAPのマイケル・アメリング氏(President, SAP Business Technology Platform, SAP)は、「データプロダクトの提供範囲がS/4HANAから、SuccessFactors、Sustainability、Customer Experienceまで、多くのアプリケーションに拡大した」と発表した。

 また、データチームのために「Data Products Studio」も提供するという。これはデータプロダクトを視覚的にモデリングできるようにするもので、SAPデータと非SAPデータをあわせて再利用かつ共有可能なデータプロダクトを作成できる。共有ドメインベースのデータカタログを使えば、作成したデータプロダクトのバージョン管理からテスト、ガバナンス確保まで、プロダクトのライフサイクル管理も可能だ。

 さらに、アメリング氏は「私たちは、お客様に最大限の柔軟性と選択肢を提供することにコミットしている」と述べると、SAP Business Data Cloud Connectの選択肢に、DatabricksとGoogle Cloudに続き、Snowflakeが加わったことを明らかにした。「SAP Snowflake solution extension for SAP Business Data Cloud」(SAP Snowflake)は、SAPからSnowflakeに接続することで、Snowflake内のフルマネージドデータとAI機能にBDCからアクセスできるようにする。これにより、BDCとSnowflake間の“ゼロコピー”での共有を実現でき、エンタープライズ要件を満たしたインテリジェントアプリケーションを構築し、ビジネスユーザーがより良いアクショナブルインサイトを得られるようになるとした。

図1:データエンジニア向け各種新発表(出典:SAP)
図1:データエンジニア向け各種新発表(出典:SAP)
[画像クリックで拡大]

次のページ
“構造化データ”専用モデル「SAP-RPT-1」が登場

この記事は参考になりましたか?


広告を読み込めませんでした

広告を読み込み中...

  • Facebook
  • X
  • note
冨永裕子の「エンタープライズIT」アナリシス連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

 IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタン...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/23262 2025/12/12 08:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング