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音声AIで「電話体験」を変革する──IVRy奥西CEOが語る、対話型音声AIスタートアップの勝ち筋

大手企業が選ぶ理由──3つの事例を紹介

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 アイブリーの成長を物語る大手企業との協業について、奥西氏は3つの事例を紹介した。

東横イン:人手不足の時間帯を音声AIでカバー

 日本一の客室数を誇るビジネスホテルチェーン・東横インは、国内342店舗(2025年7月末日時点)でアイブリーを導入した。導入の背景には、深夜帯やチェックイン集中時の人手不足という切実な課題があった。

 「深夜やチェックインが集中する時間帯は、少ない人数のスタッフで接客と電話対応を両立させるのが本当に大変だったそうです」と奥西氏は説明する。

 スタッフが対応しづらい時間帯や人手が足りない時間帯の顧客サポートを目的として、アイブリーが活用されている。

クレディセゾン:電話応答の8割削減を実現

 クレディセゾンでは、本社総務部の代表電話に寄せられる月約2,000件もの問い合わせへの対応にアイブリーを導入した。導入効果は劇的だった。

 「問い合わせ内容に応じて自動で適切な部署へ案内し、自然災害発生などの非常時にも、案内内容を迅速に切り替えられるようになったことで、電話応答の8割削減に成功されました」

 リアルタイムでの案内内容変更が可能になったことで、緊急時の対応力も大幅に向上している。

NRIデジタル:AI導入支援プログラムの公式ツールに

 NRIデジタルでは、AI活用を検討する企業を支援する実践的プログラム「AX OnBoard」を2025年9月に開始した。このプログラムで、プロトタイプ開発に活用するAIツールとしてアイブリーが正式採用されている。

 「AIを導入したいけれどどうすればいいか分からない、という企業の背中を押せることは意義のあることです」と奥西氏は語る。

データ解析で見える「隠れた顧客インサイト」

 アイブリーの真価は、AI対話による業務効率化だけでなく、蓄積された音声データの解析にもある。

 「今まで電話データってクラウドに残っていなかったんですが、アイブリーを入れるとデータが残って、AIで解析できます。『カスハラされていますよ』とか、『この時間に電話に出れていないですよ』とか、『お客さんの問い合わせの意図ってこういうものが増えていますよ』とか、リアルタイムに解析できるのです」

 興味深い事例として、ホテル業界での発見を紹介する。「あるホテルで1月や2月の電話が急増するんですが、内容を解析すると中学校受験があって、2人部屋に小学6年生も含めて3人で泊まれるかという問い合わせが増える。近くの中学校受験でニーズがあるので、ホテルの単価を上げてもいいし、そういう宣伝をしてもいい。普通は気づかないインサイトです」

「トヨタのような安全性や誰にでも安心感を与える設計」でグローバルに挑む

 とはいえ、世界を見渡した時、競合は多い。「日本のAIスタートアップとして戦うためには何が必要なのか」を奥西氏に聞いたところ、こう答えた。

 「僕らはトヨタに近いプレイヤーになれたらいいなと思っています。トヨタが安全で高品質なものを作って世界で戦えたように。アイブリーの場合、レストランの予約を音声で受け付けることができるのですが、100回に1回でもAIが間違ってダブルブッキングをしたら信頼されなくなってしまいます。安心して使っていただけるように、このような間違いが起きないようなシステム設計を最初からしています。そこを丁寧に作っていくのは、日本の企業として得意なんじゃないかなと」

 ビッグテックの参入については、競合よりもパートナーシップの可能性を重視している。「いいパートナーとしてどうしていくかが大事。汎用モデル側から複雑なオペレーションを覚えていくのは難しいので、ラストワンマイルのオペレーションや実際のお客さんに届ける部分は我々が担っていく」

リクルートの経験を活かした展開戦略

 今後の展開について、大企業での事例創出から中小企業への展開というエコシステムの構築を目指している。

 「大企業の方々は経営効率を上げるための努力を日々されているので、新しい事例やAIの使い方で一番最初に事例を作るファーストペンギンだと思います。企業によって複雑な課題が存在すると思いますのでので、柔軟に対応しデータドリブンな経営に貢献していければと思います」

 リクルート時代の経験が現在の事業展開に活きているという。「中小企業向けビジネスを幅広く展開し、保険事業も担当しました。中小企業の経営者の方々の考え方を深く理解できましたし、保険会社とのアライアンス業務を通じて、大企業がどのように意思決定し事業を進めているかも学べました。この両方の視点を持てたことが、現在のアイブリーの事業展開において非常に活かされています」

 音声AI市場は急速に拡大している。アイブリーの奥西CEOが示すのは、技術力だけでなく、顧客理解と品質へのこだわりを武器に、日本発のAIスタートアップが世界で戦える可能性だ。GPT-3の時代から見抜いた技術革新の波、ハルシネーション問題の解決、そして「トヨタのような安全性」──これらの要素が組み合わさることで、音声AIは単なる効率化ツールから、新たな顧客体験を創造するプラットフォームへと進化していく。

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この記事の著者

京部康男 (編集部)(キョウベヤスオ)

ライター兼エディター。翔泳社EnterpriseZineには業務委託として関わる。翔泳社在籍時には各種イベントの立ち上げやメディア、書籍、イベントに関わってきた。現在はフリーランスとして、エンタープライズIT、行政情報IT関連、企業のWeb記事作成、企業出版支援などを行う。Mail : k...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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