キンドリルジャパン(以下、キンドリル)は、日本で「キンドリルAIプライベートクラウドサービス」の提供を開始した。第一弾として提供される「プライベート AI 基盤PoC 支援サービス」は、組織が技術的自立性を確保しながら、本格的にAIを導入できるよう支援するものだとしている。
新サービスは、Dell AI Factory with NVIDIA上で稼働する日本国内の専用のAIプライベートクラウド環境を利用し、PoCやLLMのチューニングを支援するとのこと。シングルテナントのオンプレミス環境と、Kyndryl Consultの専門知識を組み合わせ、組織がデータ主権、セキュリティ、プライバシーを維持しながらAI戦略を実行できるよう支援すると述べている。
キンドリルは、標準的なパブリッククラウド環境では検証できないような機密性の高い研究開発や顧客データに対して、安全かつ低遅延で活用できる環境を提供するとのことだ。また、より高度な予測や推論を行い、業界固有の要件や企業戦略に応じたモデルを構築することも可能だという。
サービス開始に先立ち、同社は製造業および自動車業界の顧客向けに、同プラットフォーム上でのPoCを完了したとのこと。このPoCでは、製品に対するユーザーフィードバックをもとに、顧客感情を分析する生成AIアプリケーションの開発・テスト・検証を実施したという。アプリケーションには、NVIDIA Llama 3.1 8B-Instruct NIMが活用され、最適化されたスループットとスケーラブルな生成AIによる推論処理が実現されたとしている。
なお、同サービスは3つのサービス形態があるとのことだ。
- ベーシック:キンドリルはAIプライベートクラウドのGPUハードウェア環境と関連ソフトウェアへのアクセスを提供し、OSやコンテナの導入は顧客が実施
- スタンダード:ベーシックに加え、OSおよびコンテナの導入をキンドリルが実施
- プレミアム:AI導入が初めての組織向けに、キンドリルがPoCの企画から実行までを包括的にサポート
今後はサービスの拡張を予定しており、2026年3月の本格展開を目指し、AIアプリケーションの本格導入に向けた開発支援、エージェンティックAIソリューションの活用、顧客ごとのニーズに応じたプライベートAIプラットフォームの構築・運用のサービスを順次提供していくと述べている。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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