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データサイエンティストを疲弊させてきた“分析前処理”が「Gemini」で改善!活用法を実例で解説

#6:Geminiと協働するデータサイエンス業務の新しい形

活用事例3:イベントと主要KPI変動の関連性整理

 最後の活用事例として、主要KPI(売上、購買ユーザー数、ユーザー単価など)の時系列データとイベントカレンダーデータをNotebookLMに連携させ、イベントと主要KPI変動の関連性を整理する取り組みについてご紹介します。

 弊社では、主要KPIの可視化結果をダッシュボードを使って可視化して全社員に公開しており、社内から誰でも閲覧できる状態になっています。しかし、そこから数字の「変化」とその「要因」を探るためには、データ分析に関する専門的な知見に加えて相応の手間や時間が必要となっていました。この課題に対し、NotebookLMを活用することで、分析作業の入口となる「データの概況把握」および「変動要因の整理」部分を効率化できるようになっています。

 NotebookLMは、ユーザーが保有するソース資料に限定して内容を理解し、要約の作成、質問への回答、アイデアの創出をサポートするツールです。これを利用することにより、インターネット上の不確かな情報やAIによる創作(ハルシネーション)のリスクを低減しながら、情報整理が進められます。

 さて、具体的な活用方法は以下の通りです。

データ準備と連携

 主要KPIの時系列データとイベントカレンダーデータを準備します。これらはTSV形式のデータとして準備しています。主要KPIのデータは、表形式でまとめられていたり、弊社同様ダッシュボードで公開されていたりするのではないかと思いますので、それをダウンロードして保存すればOKですね。

画像を説明するテキストなくても可

図13:KPIデータのイメージ(一部マスク)

[クリックすると拡大します]

 データを集めたら、これらのデータをNotebookLMのデータソースとして添付します。アップロード可能なファイルの形式に条件があるので、拡張子はtxtで保存するとよいと思います。データは1つのファイルにまとめておく必要はありません。

画像を説明するテキストなくても可

図14:NotebookLMに各種KPIデータを添付

[クリックすると拡大します]

 これで準備はできました。

対話による変動要因整理

 NotebookLMに対して、下記のようにプロンプトを投げかけると、添付されたデータを読み込み、KPI変動の要因に関する分析と考察を自動で行ってくれます。

指標の変動とイベントの連動性について、データから分かることを列挙してください

画像を説明するテキストなくても可

図15:NotebookLMの考察結果例

[クリックすると拡大します]

 NotebookLMが生成したレポートや音声概要(ポッドキャスト機能)を読み聞きしながら、KPIダッシュボードの可視化結果を改めて確認することで、数字や変化の意味、背後にある要因が捉えやすくなります。これにより、「ダッシュボードを漫然と眺める」よりも、効率的にKPIの概況把握を行うことが可能です。

 私自身は週次・月次で主要KPI変動のレポーティング業務も担っていますが、その作業の多くの時間はデータの概況把握と変動要因の特定にかかっていました。NotebookLMがこの作業を代行してくれるお陰で、分析者が結果の評価・考察という本質的な分析業務に使える時間が増えたと感じています。

 ただし、NotebookLMもやはりAIツールであるため、生成された内容の精査は必須です。「判断は人間が行う」という原則は、生成AI活用のあらゆる場面で、共通して必要となる考え方だと思います。

まとめ:機能の使い分けのすすめ

 GeminiやNotebookLMには複数の機能があり、それぞれの特性を理解して適切に使い分けることが、業務効率を最大化する鍵となります。

  • スプレッドシートのサイドパネル:自動分析機能も搭載され、データの特徴をグラフと説明で迅速に把握することが可能です。一方で、サイドパネルの実行内容はスプレッドシートを閉じるとクリアされるため、履歴の永続的な保存はできません。手軽にデータの概況を把握したい場合に使うといいでしょう
  • Gemini アプリ:より複雑な分析や、複数のモデルの比較・検討、深掘りを行う際には、履歴が保存でき、過去の議論や試行錯誤プロセスの振り返りが可能なGemini アプリの対話型インターフェースが有効です
  • NotebookLM:添付データに基づいた情報整理や情報比較を客観的に行えます。分析結果をまとめたレポートを作成するような場面で有効です

 生成AIの出力内容の検証と最終的な意思決定は依然として人間が行う必要がありますが、生成AIツールを効果的に活用することで、データ分析業務全体の効率と品質が向上していくと思います。

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この記事の著者

奥野 源(オクノ ハジメ)

auコマース&ライフ株式会社リードデータサイエンティストとして、総合ショッピングサイト「au PAY マーケット」の統計分析業務に従事Jagu'e'rでは、GWS分科会を中心にいくつかの分科会のメンバーとしてLT会での情報発信などの活動も行っています

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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