金融機関は紙・Excel文化から脱却できるか? 地銀や信金も「データ活用」「内製化」に注視
複雑化する金融システムの課題と対策──4社の視点から “最適解”を探る:ウイングアーク1stの視点
データ活用は「脱Excel」から 経営層の期待にも応えるために
岡本:現在、どのくらいの金融機関がウイングアーク1stの製品を導入されているのでしょうか。
加茂:元々、都市銀行のお客様は多かったのですが、現在は地方銀行への提案に力を入れており、既に全国46.4%の地方銀行にBIダッシュボード「MotionBoard」を導入いただいています。最近では、信用金庫からの引き合いも増えています。
岡本:大規模な金融機関から導入が進んでいき、現在では地方銀行や信用金庫にまで「データ活用」のニーズが広がっている状況なのですね。貴社には、どのような相談が寄せられているのでしょうか。
加茂:最も多いのが「業績向上のためのデータ活用」と「脱Excel」の2つです。前者については、CRMやSFAなどのシステムに蓄積されたデータを有効活用し、収益を上げたいという経営層からも声が寄せられています。こうしたニーズに対しては、MotionBoardにデータを集約させ、ダッシュボード画面で分かりやすく可視化することでお応えできます。
また現在多くの金融機関では、経営層に上げる報告書を作成するため、本部がExcelのフォーマットを作り、それを支店に配って記入してもらい、返却されたものを集計して報告書を作成する……という手順を踏んでいます。この一連のExcelを用いた作業には膨大な時間と手間がかかるのですが、これをMotionBoardに直接入力できるようにすれば、リアルタイムなデータを短時間で集められるだけでなく、レポートの作成も自動化されるため、業務効率化とデータ利活用促進の両面で大きな効果が見込めます。
岡本:多くの人が納得できる成果を上げられそうですね。MotionBoard以外では、どのような製品が導入されているのでしょうか。
加茂:電子帳票プラットフォーム「invoiceAgent」をMotionBoardと組み合わせてお使いいただくケースも非常に多いですね。たとえば紙の帳票をinvoiceAgentで電子化し、その内容をMotionBoardで集計・可視化するような事例が数多くあります。両製品ともローコードツールとしての機能を備えているため、システムの構築を外部に依頼することなく内製化できます。こうした“データ活用を内製化”するためのツールとしても、製品を導入いただくケースが多くなりました。
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- この記事の著者
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吉村 哲樹(ヨシムラ テツキ)
早稲田大学政治経済学部卒業後、メーカー系システムインテグレーターにてソフトウェア開発に従事。その後、外資系ソフトウェアベンダーでコンサルタント、IT系Webメディアで編集者を務めた後、現在はフリーライターとして活動中。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
提供:サイオステクノロジー株式会社
【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社
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