先日、Googleが債券トレーダーを雇うらしい、というニュースが飛び込んできた。「ああ、なるほどエンロンか。そうきたか」というのが初見での感想だった。面白いのは、Googleが右手を上げたら、「次は左手を上げるんじゃないか」などといった憶測記事が飛び交い、一挙手に注目している各紙がほぼ本件を取り上げていないことだ。
Googleは金融ビジネスに進出するのか?
先日、Googleが債券トレーダーを雇うらしい、というニュースが飛び込んできた。「ああ、なるほどエンロンか。そうきたか」というのが初見での感想だった。面白いのは、Googleが右手を上げたら、「次は左手を上げるんじゃないか」などといった憶測記事が飛び交い、一挙手に注目している各紙がほぼ本件を取り上げていないことだ。専門媒体として金融文脈に寄せて「YUCASEE (ゆかし)」と「MONEYzine(マネージン)」が取り上げているくらいだった。
おそらく、記者の気分としては「一見、分かり難いトピックで新製品や新戦略の発表ということもないから、大きく取り上げるのはやめておこう。他にも伝えるべきことはたくさんある」といったところではなかろうか。

確かに、ぱっと見では単なる人材募集であり、CEOであるシュミットも大きな動きを意図してのものではないとのアナウンスを表向きに出していることからも、騒ぐほどのニュースバリューが無いと判断するのは正しいとも言える。 しかし、「Googleとはそもそも何者だったのか」という問いを思い出しつつ、本件を読むとなかなか味わい深い解釈ができる。
同時に、字義通りの読み方をしているだけでは同社の意図を読み取りづらくなっているということ、Googleが考えてる戦略方針と周囲のイメージにギャップが出始めてるのではないかとの仮説も立つ。 それでは、Googleが金融ビジネスに直接乗り出すかと問われると、おそらく答えはNOだろう。では、シュミットの言うように自己運用だけが目的かと問われたら、その可能性は否定しないが、おそらく何か意図があるものと考えるのが正しい。
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渡辺聡(ワタナベ サトシ)
神戸大学法学部(行政学・法社会学専攻)卒。NECソフトを経てインターネットビジネスの世界へ。独立後、個人事務所を設立を経て、08年にクロサカタツヤ氏と共同で株式会社企(くわだて)を設立。現同社代表取締役。大手事業会社からインターネット企業までの事業戦略、経営の立て直し、テクノロジー課題の解決、マーケティング全般の見直しなど幅広くコンサルティングサービスを提供している。主な著書・監修に『マーケティング2...
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