2026年1月28日、Genspark(ジェーンスパーク)の日本上陸に際する記者発表会が都内で行われた。発表会には同社のCEO、CTO、COOが来日したほか、お笑い芸人の錦鯉(長谷川雅紀さん、渡辺隆さん)とヒコロヒーさんがスペシャルゲストとして参加し、製品のデモを行った。
Gensparkは、MicrosoftやGoogleの出身者たちが2023年にシリコンバレーで創業した企業だ。創業して間もなく急速な成長を遂げ、9ヵ月で年間経常収益(ARR)1億ドルを達成、そしてわずか20ヵ月足らずでユニコーン企業となった。現在の評価額は12億ドルに達し、既に世界中のテック企業や投資家などが支援している。
同社が提供するのは、AIを実装したいわゆるデジタルワークプレイスだ。「AIワークプレイス」と同社は称する。CEOのエリック・ジン(Eric Jing)氏は、「我々のビジョンはホワイトカラーの働き方を再定義することだ」と述べ、AIエージェントと人が協働する働き方へのシフトを日本でも実現していくとした。日本国内の体制も既に出来上がっており、同時にメンバーのさらなる採用も進めているという。
「多くの日本企業がAIの利活用には関心を寄せているものの、70%以上が『AIを使いこなせる人材の不足』を感じている」と語るジン氏。その最大の理由について「使い方が分からない」ことを挙げた。
「(この課題を解決すべく)我々は『オールインワンAIプラットフォーム』を目指しました。ユーザーはAIを学ぶ必要はありません。AIを“本物の人間”のように扱い、話しかけるだけで仕事が完結する世界です」(ジン氏)
仕事には大きく分けて①情報収集、②情報処理、③アウトプットの3つのプロセスが存在し、Gensparkはこれらすべてを自律代行するとのことだ。

そして会見当日、新たに「AIワークスペース 2.0」へのアップデートが発表された。OpenAIとのリアルタイムAPI開発により実現した音声AIや、メールの自動処理(SalesforceやServiceNowなどと連携可能)、さらにはバックグラウンドでの音楽生成などといった機能が追加されたという。

CTOであるカイ・ジュ―(Kai Zhu)氏からは、同プラットフォームのAIモデルについて説明があった。Gensparkでは70以上のモデルを使い分けており、「どのタスクにどのモデルが最適か」をAIが判断・実行する。また、20以上のソースからデータを抽出し、AIのハルシネーションを抑制する設計になっているとのことだ。加えて、ユーザーからのフィードバックを学習に取り入れ、実行品質の向上も行っているとジュ―氏は紹介。「たとえGensparkのスタッフが長い休暇をとっていたとしても、AIモデルが自律的に学習・改善を行い、自動的にパフォーマンスの向上を実現する」と説明した。


推論コストの効率化やパフォーマンス向上には、「Amazon Bedrock」をはじめとするAWS(Amazon Web Services)のAIスタックが活用されているという。また、AI体験の設計には「Microsoft Azure」も活用されているほか、「Microsoft Agent 365」との連携も実装済みだ。そして両社ともに、セキュリティやコンプライアンスの仕組みをGensparkのAIエージェント体系に組み込む取り組みで支援を行っており、同プラットフォームがエンタープライズでの要件を満たすために貢献していることが発表された。
その甲斐あって、Gensparkは日本市場での展開に合わせ、セキュリティ機能を強化した新たなビジネス・プランを携えてきた。SSO(シングルサインオン)や、組織ごとのカスタマイズ機能を備えているという。日本での導入実績としては、NTTデータやパナソニック コネクト、SBIインベストメントなどの名前が挙げられた。
COOのウェン・サン(Wen Sang)氏は次のように述べる。
「Gensparkは単なるツールを目指しているのではありません。現在の人間は、労働時間の80%を付随的な作業に費やしています。本来のビジネス目標に対して割けている時間は、わずか20%です。Gensparkはたった一つの指示でそのビジネスを完結できるよう支援し、人間を単純作業から解放し、一人ひとりの潜在能力を引き出します」(サン氏)
そして同氏は、Microsoftとの協業に言及。Microsoftが昨年11月に、GensparkをServiceNowやWorkdayなどの大手と並ぶMicrosoft Agent 365プラットフォームの主要GenAI企業としてハイライトしたことに感謝を述べた。
一連の説明と発表会の後には、錦鯉の長谷川雅紀さん、渡辺隆さんとヒコロヒーさんが製品を体験。「ヒコロヒーのエッセイを海外に広めるためにはどうすればよいか」という問いをGensparkに音声入力で投げかけ、具体的な戦略やアプローチについて、日本語・英語、さらには漫画風の資料を作成させるというデモが行われた。
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名須川 楓太(編集部)(ナスカワ フウタ)
2021年より事業変革に携わる方のためのメディア Biz/Zine(ビズジン)で取材・編集に携わった後、2024年にEnterpriseZine編集部に加入。サイバーセキュリティとAIのテクノロジー分野を中心に、それらに関する国内外の最新技術やルールメイキング動向を担当。そのほか、テクノロジーを活用...
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