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EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2026年冬号(EnterpriseZine Press 2026 Winter)特集「AI時代こそ『攻めの経理・攻めのCFO』に転じる」

AI・ランサムウェア時代でも生き残る「機能するサイバーレジリエンス」構築術

日本企業の40%が陥る「再被害」の罠──すぐやるべき、ランサムウェア攻撃からも立ち直れる基本的な対策

ツール乱立が生む「見えない隙」を塞ぎ、統合型セキュリティで防衛網を再構築せよ

インシデント被害後も「基本的な対策」を放置している企業

 では、なぜ複数回のランサムウェア被害に遭うようなことになっているのでしょうか。まず考えられるのは、インシデント後の対応や対策が不十分なケースです。

 「セキュリティの専門家が社内にいない」「担当者が他の業務で忙しい」などの理由から、仮にシステムのセキュリティホール(脆弱性)が発見されてしまっても、対策を打っていないケースは少なくありません。すると当然、攻撃者から狙われやすくなります。実際に被害を受けた過去の事例を見てみると、提供されていたセキュリティパッチをしっかり当てないまま、セキュリティホールを放置していたというケースが多く見受けられます。

 特に、現在はAIを使ったサイバー攻撃が増えています。従来に比べ、脆弱性が見つかってから攻撃を受けるまでの時間も短くなってきています。脆弱性が発見され、セキュリティパッチが提供されたならば即そのパッチを当てるという基本的なセキュリティ対策を徹底しなければなりません。従来よりも迅速にセキュリティパッチを当てられるよう、社内で見直しを進めてください。

 また、本来は必要なセキュリティシステムを導入していない企業も依然として多いことが調査で明らかになりました。たとえば、攻撃被害に遭った組織のうち、メールセキュリティのソリューションを導入している企業は47%にとどまりました。メールがランサムウェアの侵入経路になる場合が多いにもかかわらず、十分な対策が講じられていないのです。

 被害の実態を見ると、メール侵害を受けた組織の71%が、同時にランサムウェア攻撃を受けています。メール侵害を受けないための対策を講じることは、ランサムウェア被害を受けないための基本だといえるでしょう。

 また、メール経由でのランサムウェア被害率を低減させる対策として、ベンダーやサービスプロバイダーからは様々な「標的型メール攻撃訓練サービス」が提供されています。こうしたツールを利用して、メールを使った攻撃とはどのようなものかを確認するのも良い対策となります。日々のトレーニングや、セキュリティ意識を醸成する社内教育の実施も、ランサムウェア対策のためには必要です。

次のページ
「ツール過多」でセキュリティ対策が本末転倒な事態を招くケースも

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この記事の著者

鈴木 真(スズキ マコト)

バラクーダネットワークスジャパン株式会社
執行役員社長エンタープライズITおよびサイバーセキュリティ分野で30年以上の営業経験を有しています。2023年にバラクーダへ参画する以前は、ダークトレース・ジャパンのカントリーマネージャーとして、東京および大阪における営業チームと事業運営を統括していました。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

加藤 路陽(カトウ ミチアキ)

バラクーダネットワークスジャパン株式会社
シニアソリューションアーキテクト13年以上にわたりバラクーダに在籍し、地域における技術面の専門家として、営業チームを支援しながら製品およびサービスの提供を主導しています。バラクーダへ参画する以前は、大手SIにてシステムおよび製品エンジニアリングを担当し、テクノロジ...

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