F5ネットワークスジャパンは2026年9月29日、企業内におけるAI活用の可視化およびポリシー統制を強化する「F5 AI Security Platform」の新機能として、「F5 Workforce AI Security」を同年10月より一般提供すると発表した。あわせて、複数のAIモデルやツールへのアクセス管理とコスト最適化を統合した「F5 AI Gateway」の機能強化とプラットフォームへの統合を公表した。
同日に開催されたメディアラウンドテーブルでは、同社 CTOの丸瀬明彦氏が登壇。同社が実施した国内の金融業および製造業を対象とする調査結果によると、企業の60%がデータ漏えいの防止と機密性の確保を最大の懸念事項として挙げる一方で、AIに対応したセキュリティ体制を十分に構築できていると回答した企業は全体の11%にとどまっている。多くの企業ではシステム的な制御機能が組み込まれておらず、ガイドラインの周知やユーザー教育といった運用対策に依存している現況が示された。
こうした状況を踏まえ、10月より提供が開始されるF5 Workforce AI Securityは、追加のエンドポイントクライアントを必要とせず、既存のSASE環境などと連携して稼働するもの。ブラウザや開発者ツールを通じた認可・未承認のAI利用を検出し、プロンプトの内容からユーザーやエージェントのインテント(利用意図)を自動分類するという。ツール呼び出しを事前検査することで、機密データの露出やリスクのある行動を実行前に遮断する仕組みを備えている。
F5 AI Gatewayに追加された新機能に関しては、モデルゲートウェイ、MCPゲートウェイ、AIガードレールの3つの機能が単一のコントロールプレーンに集約された。モデルゲートウェイはユーザーやチームごとにトークン消費量を可視化し、予算上限に達した際に別のモデルへ切り替えるバジェットルーティングを実行。MCPゲートウェイはエージェントによるツールやデータソースへのアクセスを認可済みのリソースのみに制限し、実行履歴を監査ログとして記録する。
F5 AI Gatewayによって、トークンの節約も期待できると丸瀬氏。モデルゲートウェイによって最大58%のトークン支出削減、MCPゲートウェイによって90%のトークン使用料削減が期待できると説明した。
加えて、安全性が確認されたAIサービスの利用を後押しするため、同ソリューションにはAIを活用して疑似攻撃を行うレッドチーミング機能も用意されている。新規アプリケーションやエージェントの導入前にセキュリティ検査を実施し、検出された脆弱性に応じて適切なガードレールを動的に配置するとした。
AIガードレールのポリシー設定には自然言語処理が導入されており、管理担当者が平易な文章で設定を入力することでポリシーを適用可能。また同氏は、F5 AI Gatewayが、SaaS、ハイブリッドSaaS、ハイブリッドマルチクラウド環境全体に導入可能で、規制対象および主権要件のあるユースケース向けにエアギャップ環境への対応も予定されていることを強調した。
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