三菱総研DCSのバックアップ事例
また、データベースの中のデータを圧縮する以外にも、バックアップ時のデータを圧縮することが可能だ。三菱総研DCS株式会社の事例では、当初は一度フルバックアップをとり、その後は差分バックアップをとる方針だった。それがDB2のバックアップの圧縮を利用したところ、70から80%の圧縮効率を発揮。圧縮効果が大きかったことで「毎日フルバックアップがとれるようになった」のだ。リカバリーの容易さを考慮してもフルバックアップのほうが差分バックアップよりも復旧ははるかに迅速に行える。バックアップの圧縮もまた、積極的に利用すべき機能と言えるだろう。

Multi-Temperature Storageによるデータ管理機能
この他にも大量データを効率的に扱う機能としては、Multi-Temperature Storageによるデータ管理機能がある。これは、高速なSSD、それよりは性能は劣るが高速なハードディスクのSASドライブ、安価で大量導入が容易なSATAドライブ、さらにはアーカイブ用のストレージといった性能の異なるドライブ群を1つのストレージプールとして、アクセス頻度の高いデータは高速なドライブに、そうでないものは適宜必要な性能のドライブに振り分けて配置することでパフォーマンスの改善とコスト削減を両立する機能だ。アプリケーションからは、どのストレージにデータがあるかを意識する必要はなく、OSがサポートしているストレージであればどのような製品でもこの機能を利用可能だ。


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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)
EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...
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