IBMの大規模カンファレンス「Information On Demand Conference」、通称IODCが今年も4月11日(木)に東京で開催される。6回目を迎えるIODC Japan 2013は、日本IBMの全1日開催のイベントの中でも、その規模は最大だ。今回のテーマは「Think BIG」。ビッグデータ活用の実践にフォーカスし、その具体的な中身と先駆企業が実践する事例が数多く紹介される。今回は、本カンファレンスの見所を紹介する。
IODC Japan 2013で“新たなDB2の姿”が明らかになる
企業におけるビッグデータ活用、それを実現するために必要なシステム構成要素は、いまや多岐にわたる。当初はHadoopなどの、ビッグデータ用として「最近になって新たに登場したもの」が注目を浴びた。しかしながら、昨今のビッグデータ活用の「実践」を考える段階になってからは、改めてビッグデータ活用のためのインフラ、つまりは従来のデータベースやBIなどの技術に再び注目が集まっている。今回のIODC Japanにおいても、ビッグデータ活用の実践をすでに行っている企業の具体例を紹介するセッションや、さらには最新のビッグデータ活用のためのインフラ技術を解説するセッションが多数用意されている。
ビッグデータインフラという観点から注目すべきなのは、午後の部のE、Fトラックだろう。ここには、データベースという大量データを扱う上での基本中の基本技術を、ビッグデータ視点で解説するセッションが多数ある。その中でも注目なのは、E-4のセッションだ。ここでは、DB2の最新版についての紹介があるという。

「DB2は、pureScaleというクラスターの仕組みを加えたことで、高い拡張性と高い可用性を提供するシェアードディスク型と、高い性能を発揮する従来のシェアードナッシング型という2つのアーキテクチャを実現しています。今回の新しいバージョンは、そのDB2の用途をさらに大きく広げる機能拡張です。DB2にXMLやpureScale機能を取り込んだのに匹敵、いやそれ以上にインパクトのある機能拡張だと考えています。」
日本アイ・ビー・エム ソフトウェア事業 インフォメーション・マネジメント事業部 データマネジメント製品営業部 部長の池田高也氏は、新しいDB2はメモリやストレージをより有効に活用することで、データウェアハウスのような分析系の処理とOLTP系の処理を共存させられるようになると言う。
ビッグデータ時代になり、顧客ニーズはさらに多様化している。大量データに対するリアルタイム分析、高いレスポンスでのトランザクション、極めて高い可用性。これらに対し、たとえば2010年にpureScaleの提供を開始し、オープン系システムでメインフレームに匹敵する高可用性という顧客ニーズに応えてきた。IBMは、用途に最適化したラインナップを提供することで、多様な顧客ニーズに応えている。さらに、顧客からはスピード感も求められるので、アプライアンス型のPureData Systemも加えている。
大量データを効率的に処理するには、用途別に最適な性能、機能の提供が望ましい。とはいえ、1つのデータベースの中で複数ニーズを満たしたい要望もある。新しいDB2は、まさにそれに応えるものとなるようだ。
「シングルデータベースの中で、どこまで実現できるかを追求した製品となります。DB2が機能や性能面で、さまざまな形でハイブリッド化するものだと考えてください」と池田氏。ハイブリッド化することで、効率化がなされ結果的にはコストも下がる。さらには、運用管理の負荷も軽減する。そして、それだけでなく従来製品と比べても「大幅な性能向上が見込めます」と池田氏は言う。いったいどのような仕組みでそれを実現しているのか、気になる人はぜひE-4のセッションに参加してみて欲しい。
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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)
EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...
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