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アシストの5人のサムライに訊く、データベースのいま

リレーショナル・データベースの進化を見逃すな!

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 谷川:「リレーショナル・データベースの進化を見逃すな!」とのキャッチコピーで11月7日にイベントが開催されるそうですね。こちらの見どころのほうに話を移していきましょうか。まずはPostgreSQLから。どんな話が聞けるのでしょうか?

 高瀬:9月9日にPostgreSQL 9.3がリリースされました。今回特徴的な開発者向けの機能や冗長化構成、オラクルユーザーから見て興味深いPostgreSQLの機能などを紹介する予定です。

 谷川:アシストでは一通り検証ずみ?

 高瀬:一通り触ってはいますが、まだ検証中のものも(笑)。リアルに触った感触、いい面と悪い面も含めてお伝えできると思います。

 岸和田:Oracle Database互換機能を有する「Postgres Plus Advanced Server」が PostgreSQL 9.3 をベースにしたバージョンが11月より提供開始となるので、そちらの情報もあります。

高瀬:あと、Oracle Databaseの開発ツールですと、デファクトスタンダードのSI Object BrowserのPostgreSQL版もお披露目します。お客様から「PostgreSQL版はないの?」とリクエストを多数いただいていたので、システムインテグレータ社と共同で開発しています。

 谷川:最新状況も含めて話ができそうですね。MySQL、MariaDBはどうですか?

 花谷:先日、GoogleさんがMariaDBを使う?と話題になったり、10月にはSkySQL社が日本で初めてイベントを開催することもあり、注目度が高まっています。国内ではまだ周知されてない領域なのできちんと日本語にしてメッセージを出していきたいと考えています。お客様にしたら次のリプレースの選択肢にMariaDBが出てくると確信しています。

 谷川:ふふふ。

 花谷:MySQLユーザーからしたら、ここでバージョンアップするかMariaDBに移るか悩みどころかと思います。機能的な差異はどうかなど、いま……準備しているところです。

 一同:(笑)

 岸和田:オープンソースデータベースのトラックではMariaDBが(申込数は)一番です。

 谷川:ほおー。そんなに注目されていると。

 花谷:技術的にも背景としても面白いですからね。

 谷川:MySQLがオラクルと統合したところで、技術的に同等、あるいは「それ以上」と言われるMariaDBが出てきたのだから、注目されるのは分かる気がします。

 花谷:ストレージエンジンを開発している方々からすると、オラクル(MySQL)に売り込みにいくか、モンティ(MariaDB)に売り込みにいくかというと、後者のほうが圧倒的にハードルが低いようです。

 谷川:ああ、なるほどね。

 岸和田:MariaDB Development Meeting でも、Michael 'Monty' Widenius氏が「MySQLのエコシステムを維持していきたい(からMariaDB を提供する)」と話していました。あと、Oracle Database、PostgreSQL、MySQL の SQL やプロシージャ、アクセスパスの違いを解説する「SQLとプロシージャからみたRDBMSの違い」のセッションも人気です。自分たちが実際に苦労した(もどかしく感じた)部分を、今年の 6 月末に『SQL 逆引き大全 363 の極意(秀和システム)』として書籍にまとめました。その、執筆者がポイント解説するものです。翔泳社さんじゃなくてすみません(笑)。

 谷川:アシストっぽい書籍ですね。英仏和辞典みたいなものかな。実際にデータベースを使い分けて開発するときには必要な情報だし、現場で重宝されそうですね。

 岸和田:はい。アシスト社内で活用されます。執筆者自身も使っています。 

 一同:(笑)

cap

 谷川:InfiniDBはどうですか?

 小野:1つ目のセッションでは列指向型データベースやその仕組みの解説、年内に出る予定の次バージョンの機能についてなど。もう1つのセッションではユーザーが増えてきたこともあり、ケーススタディや活用のポイントなどを紹介します。

 谷川:前回のバージョンアップが対外的には地味目でしたが管理系には大事な新機能がありました。今後の成長の方向性はどうですか?

 小野:はい。でも、うーん、言えないかな……。

 花谷:ビッグデータ……

 小野:言ってしまいましたね(笑)。

 一同:(笑)

 花谷:ビッグデータのキーワードはまだ終わってないので、ビッグデータには力を入れていくと聞いています。

 小野:具体的にはHadoopとの機能連携などです。

 谷川:イベントが開催される11月段階で開示できるものがあれば最新情報も紹介していくということですね。では本命のOracle Database関係はどうでしょう。

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 関:やはりマルチテナントが最も注目度が高いです。ただ技術概要はオラクルから情報が出ていますので、お客さんから関心が高い「実際に使ったらどうなるの?」というあたりを数値も含めてお伝えしたいです。12cはお客様から勉強会の要望が高く、ここのところ終日勉強会で埋まる日もあるくらいです。

 谷川:ほお。

 関:あと人気なのが「Oracle Databaseインターナルトラブルシュート」。12cの影にかくれてしまいがちですが、オラクルのサポートを長年経験した人間にしかできないセッションなのでこれも注目していただきたいで す。

 谷川:12cに関するセッションでは10g、11gで使っているユーザーが12cにするとどうなるか、あるいは新規のユーザーが12cのプラガブルデータベースを使うとどうなるかというあたりを解説するということですね。

 関:バージョンをまたいだときにお客様が気にするのは「今までと同じ性能が出るの?」だと思います。オプティマイザの話もします。12cだとどういう条件で高速化するかなど、具体的な数値を出しながらお話しする予定です。

 谷川:実際に触ってみて12cはどうですか?

 関:いまよく質問されるのが、「オプティマイザの新機能でアクセスパスは変化する可能性はありますか?」です。12cのオプティマイザは賢くなるようにいろんな機能を搭載しているのですが、お客様に響いていないような気がしています。

 谷川:昔を知っている人は「ルールベースでやったほうがいいのではないか?」と思うわけですね。

 関:そうなんです。「ルールベースを使わずにこれだけ高速化できる機能がつきましたよ」というのを紹介していきたいです。ここは本当によく質問されるところです。

 花谷:ルールベースはどこも努力の結晶ですからね。「もう誰も触るな!」と。

 谷川:しかし半年もすると崩れてしまうとか。

 関:なかには経験則で「バージョンアップしたら遅くなる」と先入観をもっているお客様もいらっしゃいます。たしかに、多くのSQLでパフォーマンスが良くなっても、ある一部のSQLのアクセスパスが変化することで性能障害が引き起こった経験を持つとそうなるのかもしれませんが。

 谷川:DB Onlineのアクセス状況を見ていると、カタログにあるような情報はどこからでも得られるのでリアルな話とか、うまくいかない話を求めているようです。セミナーも同様でしょうね。

 岸和田:パフォーマンス障害の話はいつも注目度が高いです。過去にもどういう事象が起きて、どういう対処をして、どういう原因だったかを解説したことがあり、皆さん熱心に聞いてくださいました。

 谷川:かつて事例取材したとき、ユーザーが「こうするとよくなる」という情報より、「こうするとダメになる」という情報を求めていると聞きました。将来、性能劣化が起きて原因を探るとき、「これは該当するか?」と判断するのに必要だから。

 花谷:リスクマネジメントの考え方ですよね。「こうするとまずい」ということを知っておくと。

 谷川:ユーザーは賢いですからね。ただ専門知識や最新情報は不足しているだろうから、そこを提供すると有意義でしょうね。

 岸和田:「ここはいいですよ」というポイントと、「ここはこうやって考慮して使わないといけません」というポイントもきちんとバランスが取れた状態で実践的な情報を提供していく予定です。

 セミナー名

データベースのアシスト Database One Day Seminar

~リレーショナル・データベースの進化を見逃すな!~

 開催日時

2013年11月7日(木) 13:00~17:50

 場所

TKP市ヶ谷カンファレンスセンター [会場地図]

 特別講演

「データベースに携わる事は人類に貢献するという事~ ビッグデータとデータベース ~」

国立情報学研究所所長   

東京大学生産技術研究所 教授/工学博士 喜連川 優 氏

 主催

株式会社アシスト

 申し込み方法

公式サイトよりお申し込みください。(参加費:無料)

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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